第108回
108AM023|第108回 保健師国家試験 過去問
保健機能食品制度の説明で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解4
正答
4.保健機能食品は1日当たりの摂取目安を表示しなければならない。
この問題のポイント
保健機能食品を構成する特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品の3類型について、制度の違いを区別できるかを問う問題です。区別の観点は、許可・届出の仕組み、根拠となる法律、表示できる対象者、共通の義務表示事項です。「誰が許可するか」「どの法律に基づくか」「誰を対象にできるか」という骨格を押さえていれば判断できます。3類型に共通する義務表示として1日当たりの摂取目安量があることが、正答を選ぶ鍵です。
解説
保健機能食品の位置づけ
食品は医薬品医療機器等法で規制される医薬品とは区別され、原則として健康への効果を表示できません。その例外として、国の定めたルールに従えば一定の機能性を表示できる食品が保健機能食品です。特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品の3つがあります。いわゆる健康食品(一般のサプリメントなど)には法律上の定義がなく、機能性を表示することはできません。
保健機能食品の表示ルールは、2015年4月に施行された食品表示法に基づく食品表示基準に定められています。制度全体を所管するのは消費者庁です。
3類型の違い
- 特定保健用食品:個別許可制です。健康増進法に基づく特別用途食品の一つにも位置づけられ、有効性と安全性について国の個別審査を受けます。許可するのは内閣総理大臣で、権限は消費者庁長官に委任されています。「おなかの調子を整える」「血圧が高めの方に適する」などの表示ができます。個別許可型のほかに、規格基準型、疾病リスク低減表示(カルシウムと骨粗鬆症、葉酸と神経管閉鎖障害など)、条件付き特定保健用食品があります。
- 栄養機能食品:自己認証制です。国が定めた規格基準、すなわち1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が上限値と下限値の範囲内にあることを満たせば、許可も届出も不要で、定められた栄養成分の機能を表示できます。対象はビタミン13種類、ミネラル6種類、n-3系脂肪酸の20成分です。
- 機能性表示食品:2015年4月に始まった届出制です。事業者が自らの責任で科学的根拠を消費者庁長官に届け出て表示し、国の個別審査は受けません。対象は疾病に罹患していない者で、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む)、授乳婦は除かれます。疾病リスク低減の表示はできません。
3類型に共通する義務表示
過剰摂取を防ぎ、適量を守ってもらうために、3類型すべてに1日当たりの摂取目安量の表示が義務づけられています。摂取の方法、摂取する上での注意事項、「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」という文言も共通の義務表示です。栄養機能食品と機能性表示食品には、さらに「消費者庁長官による個別審査を受けたものではない」旨の表示も求められます。
実践での生かし方
保健師は、特定保健指導、高齢者の介護予防、妊産婦の相談などの場で「このサプリメントを飲めば血圧の薬をやめられるか」といった質問をよく受けます。そのとき、次の点を具体的に伝えられることが大切です。
- 保健機能食品であっても医薬品ではなく、疾病の治療を目的とするものではないこと。
- 摂取目安量を守ること。
- 服薬中の人は、ビタミンKとワルファリンのような相互作用があるため、医師や薬剤師に相談すること。
- 妊産婦は機能性表示食品の想定対象外であること。
なお、2024年に紅麹を含む製品による健康被害が問題となり、機能性表示食品制度は届出者による健康被害情報の報告の義務化などの見直しが行われました。本問で問われた許可主体、対象者の除外、摂取目安量の表示義務という骨格は変わっていません。
選択肢の確認
1.特定保健用食品の許可は厚生労働大臣が行う。:特定保健用食品の許可を行うのは内閣総理大臣で、権限は消費者庁長官に委任されているため、誤りです。2009年に消費者庁が発足するまでは厚生労働大臣が許可していたため、古い知識と混同しやすい選択肢です。審査の過程では消費者委員会や食品安全委員会の意見を聴きますが、許可そのものを行うのは厚生労働大臣ではありません。
2.機能性表示食品は妊産婦に適する旨の表示ができる。:機能性表示食品は疾病に罹患していない者を対象とし、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む)、授乳婦は対象から除かれているため、誤りです。事業者の届出だけで表示でき国の個別審査がないので、影響を受けやすい集団は除外されています。妊産婦に適する旨の表示は、健康増進法に基づく特別用途食品(妊産婦・授乳婦用粉乳)として国の許可を受けた場合に限られます。
3.栄養機能食品は健康増進法に基づく一定の要件を満たしている。:栄養機能食品の規格基準は、食品表示法に基づく食品表示基準に定められているため、誤りです。健康増進法に基づく許可が関係するのは特定保健用食品を含む特別用途食品なので、それと取り違えないようにします。栄養機能食品は、基準を満たせば許可も届出も不要な自己認証制です。
4.保健機能食品は1日当たりの摂取目安を表示しなければならない。:正答。特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品のいずれにも、食品表示基準により1日当たりの摂取目安量の表示が義務づけられています。過剰摂取を防ぎ、適量摂取を促すための共通ルールです。
覚えるポイント
- 保健機能食品は3類型です。特定保健用食品は個別許可制、栄養機能食品は規格基準を満たせば表示できる自己認証制、機能性表示食品は消費者庁長官への届出制で個別審査はありません。所管は消費者庁、表示ルールは食品表示法の食品表示基準です。
- 特定保健用食品の許可は内閣総理大臣(消費者庁長官に委任)が行い、健康増進法の特別用途表示の許可に位置づけられます。厚生労働大臣ではありません。
- 機能性表示食品の対象は疾病に罹患していない者です。未成年者、妊産婦(妊娠計画中を含む)、授乳婦は除かれます。疾病リスク低減表示ができるのは特定保健用食品だけです。
- 栄養機能食品で表示できるのは、ビタミン13種類、ミネラル6種類、n-3系脂肪酸の20成分です。
- 3類型共通の義務表示は、1日当たりの摂取目安量、摂取の方法、摂取上の注意事項、「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」です。
- 特別用途食品(病者用食品、妊産婦・授乳婦用粉乳、乳児用調製乳、えん下困難者用食品、特定保健用食品)は、健康増進法に基づく国の許可が必要です。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
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