111AM042|第111回 保健師国家試験 過去問
次の文を読み41~43の問いに答えよ。A市は人口25万人、高齢化率31.4%の中核市で、国民健康保険の加入者(被保険者)は5万5千人(加入率22%)である。医療費分析を行ったところ、人工透析患者が年々増加しており、その約6割が糖尿病有病者であった。そのため、保健師は糖尿病重症化予防対策を強化することにした。糖尿病重症化予防対策のために、国保データベース〈KDB〉で情報を抽出した。その結果、ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉6.5%以上、尿蛋白(±)以上、推算糸球体濾過量〈eGFR〉60 mL/分/1.73 m2未満の者の約8割が男性で、そのうちの6割が未治療だった。A市では、50歳代の男性の人工透析患者が急増していた。そこで、未治療の40~50歳代の男性をターゲットに3回コースの糖尿病重症化予防教室への参加を働きかけたところ、40人の参加申し込みがあった。初回の糖尿病重症化予防教室の内容で最も適切なのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
初回教室では、対象者が自分の検査値と未治療の危険を理解し、受診と自己管理の必要性を納得できる基盤を作る。
解説
対象者はHbA1c高値、尿蛋白、eGFR低下があり、未治療者が多い。まず糖尿病性腎症が無症状でも進行し、適切な受診・血糖血圧管理等で透析への進行を防ぎ得ることを正しく理解してもらう。知識を恐怖喚起だけにせず、自分の検査結果を理解し医療機関へつながる動機づけにする。その後の回で食生活や運動を具体化する。教室は診療の代替ではなく、該当者には個別に早期受診を勧める必要がある。
選択肢の確認
1.糖尿病性腎症の正しい知識:初回に病態、検査値、受療の必要性を共有し、以後の行動学習の土台にする。
2.A市における人工透析の医療費:地域課題の説明には使えるが、本人の健康と受診行動を理解する最初の中心内容ではない。
3.40~50歳代に適した運動の紹介:実践策として有用だが、腎機能や合併症を評価せず一律に始めさせない。
4.糖尿病の重症化を予防する食生活:重要な実践内容だが、まず腎症と未治療の危険を理解して受療につなぐ。
覚えるポイント
高リスク未治療者では「病態理解→受診→個別化した食事・運動」。集団教育だけで医療連携を置き換えない。