112AM053第112回 保健師国家試験 過去問

次の文を読み51~53の問いに答えよ。A市の国民健康保険を担当する保健師は、加入者の平均年齢が上昇していることを把握したため、データヘルス計画を見直すこととした。A市のB地区担当保健師は、B地区の健康づくり計画を策定することとした。健康づくり計画を策定するにあたり、地域の住民や民生委員などが集まり、健康診査受診率の向上について重点的に検討する会議を開催することとなった。会議では「健診は大切」という意見があった一方、一部の人から「仕事が忙しくて健診に行けない」「健診を受けなくても元気な人がいる」「病気になったら病院を受診して治療をすればよい」等の意見もあった。会議でB地区担当保健師がコミュニティエンパワメントを促す支援として最も適切なのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4

この問題のポイント

コミュニティエンパワメントは、住民が多様な認識を言語化し、課題を自分たちで定義して意思決定・行動する力を高める過程である。

解説

会議には健診を肯定する声だけでなく、時間的制約、健康への自信、発病後の受診でよいという認識がある。保健師がさらに発言を促し、なぜそう考えるのか、どの経験や生活条件が背景にあるのかを参加者同士で共有すれば、少数意見も含めた地域の課題認識が深まる。そこから受診しやすい時間、職場との協働、伝え方などを住民自身が選び行動へ移せる。制度説明や実施時期の要望聴取は後の具体化に有用だが、保健師側が議題を狭める。恐怖を与える事例紹介は主体的な認識形成を妨げるおそれがある。

選択肢の確認

1.健康診査の制度について説明する。:知識提供は必要になり得るが、住民自身の認識・経験を引き出す前に説明を主導している。
2.健康診査の実施時期について要望を聞く。:改善案の把握には役立つが、実施時期だけに論点を限定し、地域の多様な認識を十分に探れない。
3.健康診査を受診せず疾病が重症化し失業した事例を紹介する。:危機感を与える一方向の説得で、住民が自ら課題を分析し決める過程になりにくい。
4.健康診査を受診することについてどのような認識があるか参加者にさらに発言を促す。:多様な認識の表出と対話を促し、住民自身の課題定義・意思決定の力を高める。

覚えるポイント

エンパワメント支援は答えを教えるのでなく、発言・対話・共同決定を促す。

関連問題

112AM052112AM054
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)