76PM91第76回 診療放射線技師国家試験 過去問

エックス線撮影技術学X線撮影技術X線CT検査

X 線 CT で正しいのはどれか。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、X 線 CT に関する基本事項として、CT 値、造影検査、検査前処置、画像表示条件が問われています。

正しいのは、正常な肝臓の CT 値は脂肪より高いです。

CT 値は、水を 0 HU、空気を約 -1000 HU とした相対値です。

脂肪は負の CT 値を示し、正常肝実質はそれより高い CT 値を示します。

解説

CT 値〈HU:Hounsfield unit〉は、組織の X 線吸収の程度を表す値です。

代表的な CT 値は次のように整理します。

  • 空気:約 -1000 HU
  • 脂肪:約 -100 HU 前後
  • 水:0 HU
  • 軟部組織:数十 HU
  • 正常肝実質:おおよそ 50〜70 HU 程度
  • 骨:高い正の CT 値

正常な肝臓は軟部組織であり、脂肪より X 線吸収が大きいため、CT 値は脂肪より高くなります。

したがって、選択肢 2 は正しいです。

一方、CT 検査では、すべての検査で前日から絶飲食が必要なわけではありません。検査内容や造影の有無に応じて、食事制限の要否や時間が決まります。

ダイナミック CT は、造影剤を急速静注し、動脈相、門脈相、平衡相など時間相ごとに撮影する検査です。したがって、造影剤を使用しないという記述は誤りです。

急性期脳梗塞の早期診断では、一般に MRI の拡散強調像〈DWI〉が CT より高感度です。CT は出血の除外には有用ですが、超急性期梗塞の描出能では MRI が優れます。

肺野を観察するときは、肺内の空気と肺血管・気管支壁などの濃度差を広く表示する必要があるため、ウインドウ幅は広く設定します。肺野条件では、ウインドウ幅はおおよそ 1000〜2000 HU 程度が用いられることが多く、500 HU 程度では狭すぎます。

ひっかけポイント
CT 値では、脂肪はマイナス値、肝臓はプラスの軟部組織値です。
脂肪肝では肝 CT 値が低下するため、正常肝と脂肪の CT 値関係を押さえておくと理解しやすくなります。

選択肢の確認

1.誤り。
CT 検査で常に検査前日から絶飲食とするわけではありません。造影 CT や腹部検査などでは一定時間の絶食を指示することがありますが、すべての CT 検査で前日から絶飲食が必要という記述は不適切です。

2.正しい。
脂肪は負の CT 値を示します。一方、正常肝実質は軟部組織であり、脂肪より高い CT 値を示します。

3.誤り。
ダイナミック CT は、造影剤を用いて時間相ごとに撮影する検査です。肝腫瘍、膵疾患、血管性病変などの評価で、造影タイミングが重要になります。

4.誤り。
急性期脳梗塞の早期描出では、MRI、特に拡散強調像〈DWI〉が CT より優れます。CT は急性期出血の評価や緊急時の初期検査として重要ですが、早期梗塞の検出感度は MRI が高いです。

5.誤り。
肺を観察するときは、肺野条件として広いウインドウ幅を用います。500 HU 程度では肺野観察には狭く、通常はより広いウインドウ幅が用いられます。

覚えるポイント

  • CT 値は水を 0 HU、空気を約 -1000 HU とする相対値です。
  • 脂肪は負の CT 値を示します。
  • 正常肝実質は脂肪より CT 値が高いです。
  • ダイナミック CT は造影剤を用いて複数時相を撮影します。
  • 急性期脳梗塞の早期描出は MRI の拡散強調像が有用です。
  • 肺野観察では広いウインドウ幅を用います。

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