77AM75|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
X 線管装置で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
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正解: 1・3
正答
1、3
この問題のポイント
この問題は 2 つ選べ の問題です。
X 線管装置の線質、焦点、負荷、漏れ放射線に関する基本事項が問われています。
正しいのは次の 2 つです。
- 1.線質は陽極側に比べ陰極側で軟線が多い。
- 3.陰極エミッション特性は管電流の特性を表す。
解説
X 線管では、陰極から放出された熱電子が陽極ターゲットに衝突し、X 線が発生します。
発生した X 線は、ターゲット内部を通過して外へ出てきます。
このとき、陽極側へ出る X 線はターゲット内部を長く通過しやすく、低エネルギー成分がより多く吸収されます。
そのため、陽極側では X 線強度が低くなり、線質は相対的に硬くなります。
一方、陰極側ではターゲット内の通過距離が短くなり、低エネルギー成分が比較的多く残ります。
したがって、陰極側の方が軟線が多いといえます。
これはヒール効果と関係します。
また、陰極エミッション特性は、フィラメント加熱や管電圧条件によって、陰極からどの程度の熱電子が放出されるか、つまり管電流がどのように得られるかを表す特性です。
ひっかけポイント
ヒール効果では、陽極側は強度が低く、低エネルギー成分が吸収されやすいため相対的に硬い線質になります。
陰極側は強度が高く、軟線成分も多くなりやすいと整理します。
X 線管装置で押さえる用語
- 短時間許容負荷:焦点寸法、陽極熱容量、回転陽極条件などに関係する。
- 陰極エミッション特性:熱電子放出と管電流に関係する。
- ヒートユニット〈HU〉:X 線管入力や熱量の目安。
- 漏れ放射線:放射口以外から X 線管容器を透過して漏れる放射線。
- 有用線錐:放射口から意図して出る X 線。
選択肢の確認
1.正しい。
陽極側では X 線がターゲット内を長く通過し、低エネルギー成分が多く吸収されます。
そのため、陽極側に比べて陰極側では軟線が多くなります。
2.誤り。
短時間許容負荷は焦点寸法に依存します。
焦点寸法が大きいほど熱が広い範囲に分散されるため、許容負荷は大きくなりやすいです。
3.正しい。
陰極エミッション特性は、陰極からの熱電子放出、つまり管電流の得られ方に関係する特性です。
管電流の特性を表すものとして正しいです。
4.誤り。
ヒートユニット〈HU〉は、X 線管への入力や発生熱量を表す単位として用いられます。
許容負荷そのものを表す単位として選ぶのは適切ではありません。
5.誤り。
漏れ放射線は、放射口から出る有用線錐ではなく、X 線管容器などから漏れ出る放射線です。
放射口を透過する電離放射線は、通常、有用線錐として扱います。
覚えるポイント
- ヒール効果により、陽極側は強度が低く、線質は硬くなりやすい。
- 陰極側は陽極側より軟線が多い。
- 短時間許容負荷は焦点寸法に依存する。
- 陰極エミッション特性は管電流の特性を表す。
- 漏れ放射線は放射口以外から漏れる X 線であり、有用線錐とは区別する。