78PM58|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
マウスの悪性腫瘍で放射線の遺伝的影響が疑われるのはどれか。
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正解: 4
正答
4.母親の妊娠前に父親が全身に高線量の被ばくをした。
この問題のポイント
放射線の影響には、本人に現れる影響と、子孫に現れる可能性がある影響があります。
この問題で問われている 遺伝的影響 とは、親の生殖細胞に起こった変化が、子に受け継がれる可能性を考えるものです。
つまり、ポイントは、
- 妊娠前の親
- 生殖細胞への被ばく
- 子孫に現れる影響
です。
この条件に最も合うのは、
母親の妊娠前に父親が全身に高線量の被ばくをした
という選択肢です。
解説
遺伝的影響は、精子や卵子などの生殖細胞に放射線による突然変異が起こり、それが子孫に伝わる可能性を考える影響です。
父親が母親の妊娠前に全身高線量被ばくをした場合、精巣内の生殖細胞が被ばくしている可能性があります。
その後に妊娠が成立し、子に悪性腫瘍などの異常がみられた場合、放射線の遺伝的影響を疑う状況になります。
一方、母親が妊娠中に被ばくした場合は、胎児への直接影響、つまり胎内被ばくの問題です。
これは遺伝的影響ではなく、胎児自身の体細胞などが被ばくする影響として考えます。
選択肢の確認
1.母親が妊娠初期に腹部CTを受けた。
誤りです。
妊娠初期の腹部CTでは、胎児が直接被ばくする可能性があります。
これは胎内被ばくによる影響を考える状況であり、親の生殖細胞を介して子孫に伝わる遺伝的影響とは区別します。
2.自然放射線レベルの高い施設で飼育されていた。
誤りです。
自然放射線レベルが高い環境での被ばくは、個体自身の被ばくとして考えます。
遺伝的影響を疑う典型的な条件である「妊娠前の親の生殖細胞被ばく」とは異なります。
3.母親が妊娠後期に頭部に高線量の被ばくをした。
誤りです。
母親の頭部被ばくであり、胎児や生殖細胞への直接的な被ばくを考えにくい条件です。
また、妊娠後期の被ばくは遺伝的影響ではなく、胎児への直接影響として考える場面です。
4.母親の妊娠前に父親が全身に高線量の被ばくをした。
正しいです。
妊娠前の父親が全身に高線量被ばくした場合、精巣内の生殖細胞が被ばくしている可能性があります。
その後に生まれた子に影響が疑われる場合、放射線の遺伝的影響を考える状況です。
5.密封小線源を埋め込まれたマウスと同じケージで飼育されていた。
誤りです。
この場合は、同じケージ内で外部被ばくを受けた可能性を考えます。
その個体自身への影響であり、親の生殖細胞を介した遺伝的影響とは異なります。
覚えるポイント
放射線影響は、誰のどの細胞が被ばくしたかで整理します。
- 本人の体細胞が被ばく:身体的影響
- 胎児が直接被ばく:胎内被ばくの影響
- 親の生殖細胞が妊娠前に被ばく:遺伝的影響
- 子孫に現れる可能性を考える:遺伝的影響
この問題では、妊娠前の父親の全身高線量被ばくにより、生殖細胞への影響が疑われるため、正しい選択肢は
4.母親の妊娠前に父親が全身に高線量の被ばくをした。
です。