111AM031|第111回 看護師国家試験 過去問

社会福祉法に基づき社会福祉協議会が推進するのはどれか。

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正解: 4

正答

4.ボランティア活動

この問題のポイント

社会福祉協議会(社協)が、社会福祉法上どのような目的をもつ団体で、何を推進するのかを問う問題です。手がかりは「社会福祉法に基づき」と「社会福祉協議会が推進する」という2つの条件です。社協は地域福祉の推進を目的とし、住民が福祉活動に参加できるよう援助する団体です。このことを知っていれば、住民参加の代表例であるボランティア活動を選べます。ほかの選択肢は、別の法律に基づいて国や地方公共団体が進める施策です。

解説

社会福祉協議会は、社会福祉法で「地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」と規定された民間の非営利組織です。市区町村社協、都道府県社協(指定都市社協を含む)、全国社会福祉協議会(全社協)の各段階に置かれ、多くは社会福祉法人の法人格をもっています。社会福祉事業を経営する者や、社会福祉に関する活動を行う者が参加して構成されます。行政機関ではなく、行政と住民・福祉事業者をつなぐ立場にある点が特徴です。

社会福祉法は、市町村社協の事業として次のものを定めています。

  • 社会福祉を目的とする事業の企画および実施
  • 社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助
  • 社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整および助成
  • 上記のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業

このうち「住民の参加のための援助」を具体化した中心的な取り組みが、ボランティアセンターの運営です。主な内容は次のとおりです。

  • ボランティアの募集・登録・研修
  • 支援を求める人や施設とボランティアとの調整(コーディネート)
  • ボランティア保険の受付
  • 学校や地域での福祉教育

大規模災害のときに被災地で災害ボランティアセンターを立ち上げ、全国から集まるボランティアの受け入れと調整を担うのも、多くは社協です。

社協が担うそのほかの代表的な事業も押さえておきましょう。

  • 日常生活自立支援事業:社会福祉法上の福祉サービス利用援助事業にあたります。認知症高齢者や知的障害者、精神障害者など判断能力が不十分な人に、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理を行います。実施主体は都道府県・指定都市社協で、市区町村社協が窓口になることが多いです。
  • 生活福祉資金貸付制度:低所得世帯などへの貸付制度です。都道府県社協が実施主体で、市区町村社協が相談窓口です。
  • 運営適正化委員会:福祉サービスに関する苦情を解決するため、都道府県社協に置かれます。
  • 小地域の見守りネットワークやふれあい・いきいきサロンなど、住民主体の活動への支援も行います。

看護の実践では、退院後の高齢者や在宅療養者を支えるときに、公的サービスだけでは足りない部分が出てきます。見守りや外出の付き添い、金銭管理などです。そうしたときに地域のボランティアや日常生活自立支援事業につなぐ窓口が社協です。訪問看護師や保健師、退院支援に関わる看護師にとって、社協は重要な連携先になります。

「〇〇法に基づき、△△が行う」という形式の問題では、組織と根拠法の組み合わせで判断するのが基本です。社会福祉法には、社協のほかにも次のものが規定されています。

  • 福祉事務所:都道府県と市は設置義務、町村は任意設置です。
  • 地域福祉計画:市町村地域福祉計画と都道府県地域福祉支援計画があり、策定は努力義務です。
  • 共同募金:共同募金会が行う第一種社会福祉事業です。

共同募金は社協ではなく共同募金会が実施する点に注意しましょう。また、地域包括支援センターは介護保険法、民生委員は民生委員法に基づく点も区別しておきましょう。

選択肢の確認

1.がん対策:がんの予防、早期発見、がん医療の均てん化、緩和ケアの推進などの施策は、2006年に制定された専用の基本法に基づいて進められます。国が基本計画を、都道府県が推進計画を策定して行う行政施策です。がん検診も、健康増進法に基づき市町村が行う健康増進事業に位置づけられており、社会福祉法が社協の事業として定めるものではありません。

2.男女共同参画:男女が対等な構成員として社会のあらゆる分野の活動に参画する社会づくりは、1999年に制定された基本法に基づき、国と地方公共団体が進める施策です。国と都道府県は計画策定が義務、市町村は努力義務で、国では内閣府が担当しています。地域福祉の推進を目的とする社協の法定事業ではありません。

3.就労の支援活動:就労支援は、対象ごとに別の法律で行われます。障害者には障害者総合支援法の就労移行支援・就労継続支援や障害者雇用促進法、生活に困窮する人には生活困窮者自立支援法の就労準備支援事業、一般の求職者には職業安定法に基づくハローワークの職業紹介があります。社協が市町村の委託を受けて生活困窮者の自立相談支援を担う例はあります。しかし、社会福祉法が社協の役割として定めているのは地域福祉の推進と住民参加の援助であり、この設問の答えにはあたりません。

4.ボランティア活動:正答。社会福祉法は、市町村社協の事業として「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」を定めています。その中心が、ボランティアセンターによるボランティアの募集・登録・研修・コーディネートと、災害時の災害ボランティアセンターの設置運営です。住民の自発的な福祉活動を組織化して地域福祉を推進するという、社協の性格に最もよく合致します。

覚えるポイント

  • 社会福祉協議会は、社会福祉法に基づき地域福祉の推進を目的とする民間団体で、市区町村・都道府県・全国の3段階に置かれます。
  • 市町村社協の法定事業は「事業の企画・実施」「住民参加のための援助(ボランティアセンターなど)」「調査・普及・連絡調整・助成」です。
  • 都道府県社協の関連事業として、日常生活自立支援事業(実施主体は都道府県・指定都市社協)、生活福祉資金貸付、運営適正化委員会(苦情解決)を覚えましょう。
  • 社会福祉法に規定されるものは、社協、福祉事務所(都道府県・市は設置義務)、地域福祉計画(努力義務)、共同募金(共同募金会が実施)です。
  • 根拠法の対応:がん対策はがん対策基本法、男女共同参画は男女共同参画社会基本法、障害者の就労支援は障害者総合支援法・障害者雇用促進法、生活困窮者の支援は生活困窮者自立支援法、地域包括支援センターは介護保険法、民生委員は民生委員法です。

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