112PM004|第112回 看護師国家試験 過去問

国民健康保険に加入している自営業者(40歳)の医療費の一部負担金の割合はどれか。

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正解: 3

正答

3.3割

この問題のポイント

医療保険の一部負担金(窓口負担)の割合を問う問題です。負担割合は、加入している医療保険の種類や職業では決まりません。年齢で決まり、70歳以上ではさらに所得によって決まります。「国民健康保険」「自営業者」は判断に影響しない情報で、「40歳」が義務教育就学後から70歳未満の区分にあたることが鍵です。

解説

一部負担金とは

一部負担金とは、保険医療機関や保険薬局で、診察・検査・投薬・処置などの療養の給付を受けたときに、患者が窓口で支払う費用です。医療費の残りは保険者が負担し、この保険者負担の割合を給付率といいます。一部負担金3割は、給付率7割と表裏の関係にあります。

年齢・所得による負担割合(出題当時の2023年2月時点)

  • 義務教育就学前(6歳に達する日以後の最初の3月31日まで):2割
  • 義務教育就学後〜70歳未満:3割
  • 70歳以上75歳未満:2割(現役並み所得者は3割)
  • 75歳以上(後期高齢者医療制度):1割(一定以上所得者は2割、現役並み所得者は3割)

75歳以上の「一定以上所得者2割」は2022年10月に新設された区分で、出題当時にはすでに施行されていました。

かつては、健康保険などの被用者保険の本人と国民健康保険の加入者とで、負担割合が異なる時期がありました。2003年4月に被用者保険の本人も3割となり、制度による負担割合の違いはなくなりました。そのため、義務教育就学後から70歳未満であれば、会社員でも自営業者でも3割です。

ただし、70歳未満でも義務教育就学前の子どもは2割です。「70歳未満は3割」と範囲を広げて覚えないようにしましょう。なお、2003年の統一当時に2割だった子どもは3歳未満でした。2割の対象が義務教育就学前まで広がったのは2008年4月です。

この問題でも、「国民健康保険」「自営業者」は加入制度を印象づける要素にすぎず、答えを決めるのは年齢です。40歳は義務教育就学後〜70歳未満の区分にあたるので、3割となります。

臨床・地域で生きる周辺知識

3割負担でも、入院や高額な治療では自己負担が大きくなります。高額療養費制度では、1か月の自己負担額が、年齢と所得に応じた自己負担限度額を超えた場合、超えた分が支給されます。限度額適用認定証を事前に医療機関に提示すれば、窓口での支払いを限度額までにとどめることもできます。経済的な不安を訴える患者に対し、医療ソーシャルワーカーと連携してこうした制度につなぐことは、看護師の大切な役割です。

  • 入院中の食事代(食事療養標準負担額)は、一部負担金とは別に定額で支払います。
  • 子どもの医療費は多くの自治体が独自に助成しており、実際の窓口負担が軽くなることがあります。ただし、法令上の負担割合そのものが変わるわけではありません。

国民健康保険の要点は次のとおりです。

  • 対象は、被用者保険にも後期高齢者医療制度にも加入していない人です(自営業者、農林漁業従事者、無職の人、被用者保険を離れた退職者など)。
  • 生活保護受給者は適用除外で、医療は生活保護の医療扶助でまかなわれます。
  • 2018年度から、都道府県が市町村とともに保険者となり、財政運営の責任主体を担っています。同業者で組織する国民健康保険組合もあります。
  • 傷病手当金や出産手当金は、被用者保険では法定給付ですが、国民健康保険では任意給付です。

また、40歳は他の制度でもよく問われる年齢です。40歳から介護保険の第2号被保険者となり、介護保険料は加入している医療保険の保険料と一体で徴収されます。40〜74歳は、医療保険者が実施する特定健康診査の対象でもあります。

選択肢の確認

1.1割:75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の原則の負担割合です。一定以上所得者と現役並み所得者を除く75歳以上の人が該当し、40歳には当てはまりません。かつて被用者保険の本人負担がこの割合だった時期もあります。しかし2003年4月に制度間の違いがなくなってからは、義務教育就学後から70歳未満であれば、どの制度でも選択肢3の割合です。

2.2割:義務教育就学前の子どもと、70歳以上75歳未満で現役並み所得者を除く人の負担割合です。2022年10月からは、75歳以上のうち一定以上の所得がある人もこの割合になりました。子どもと高齢者の区分の間にある40歳には当てはまらず、年齢区分の取り違えを誘う選択肢です。

3.3割:正答。義務教育就学後から70歳未満の人の負担割合で、国民健康保険でも被用者保険でも共通です。40歳の自営業者はこの区分にあたります。なお、70歳以上でも現役並み所得者はこの割合になります。

4.4割:日本の医療保険制度には、年齢や所得を問わず、この負担割合の区分はありません。一部負担金の割合は最大でも選択肢3の割合です。2002年に成立した健康保険法等の改正法の附則にも、医療保険の給付割合を将来にわたり7割に維持する趣旨の規定があります。これより重い区分はないと押さえておけば、迷わず除外できます。

覚えるポイント

  • 一部負担金は年齢と所得で決まります。就学前は2割、就学後〜69歳は3割、70〜74歳は2割(現役並み所得者は3割)、75歳以上は1割(一定以上所得者は2割、現役並み所得者は3割)です。
  • 義務教育就学後〜70歳未満は、国民健康保険も被用者保険も3割です(制度間の違いは2003年4月に解消)。職業や加入制度で割合は変わりませんが、70歳未満でも義務教育就学前の子どもは2割です。
  • 3割負担は給付率7割と同じ意味です。自己負担が高額になったときは、高額療養費制度で限度額を超えた分が支給されます。
  • 国民健康保険の対象は自営業者、農林漁業従事者、無職の人などです。2018年度から都道府県も保険者となり、生活保護受給者は適用除外です。
  • 40歳は介護保険第2号被保険者の開始年齢であり、特定健康診査(40〜74歳)の対象年齢の始まりでもあります。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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