112PM067|第112回 看護師国家試験 過去問
指定訪問看護ステーションについて正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3.訪問看護指示書に基づいて療養者のケアを行う。
この問題のポイント
指定訪問看護ステーションの人員・設備の基準と、業務の進め方(医師との連携の仕組み)を問う問題です。訪問看護には診療の補助が含まれるため、主治医の文書による指示、つまり訪問看護指示書が必要だという点が判断の鍵です。人員基準(看護職員は常勤換算2.5人以上、リハビリ職も配置可)を知っていれば、ほかの選択肢も誤りと判断できます。
解説
訪問看護ステーションとは
指定訪問看護ステーションは、看護職員が療養者の居宅を訪問して、療養上の世話と診療の補助を行う事業所です。介護保険法による指定(都道府県知事などによる指定居宅サービス事業者の指定)と、健康保険法による指定(指定訪問看護事業者)の両方の枠組みで事業を行います。病院や診療所に属さない独立した事業所として、看護職が管理者となって運営する点が特徴です。
訪問看護指示書が必要な理由
訪問看護には、褥瘡の処置、カテーテル類の管理、点滴や与薬の管理など、診療の補助にあたる行為が含まれます。保健師助産師看護師法第37条により、看護職は主治の医師(歯科医師)の指示がなければ、診療機械の使用や医薬品の授与など衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはなりません。そのため、ステーションが訪問看護を始めるときは、主治医から文書で指示を受ける必要があります。この文書が訪問看護指示書です。
訪問看護指示書と関連書類の流れは次のとおりです。
- 訪問看護指示書:主治医が交付します。病名、病状、投与中の薬剤、装着している医療機器、留意事項などが記載されます。有効期間は最長6か月です。
- 特別訪問看護指示書:急性増悪、終末期、退院直後などで頻回の訪問が必要な場合に主治医が交付します。有効期間は最長14日で、交付は原則月1回です。この期間の訪問看護は医療保険で行われます。
- 訪問看護計画書・訪問看護報告書:ステーションは指示書に基づいて計画書を作成し、実施内容を報告書にまとめ、いずれも主治医に提出します。
なお、精神科訪問看護には精神科訪問看護指示書が用いられます。病院・診療所が自ら行う訪問看護は、その医療機関の医師の指示のもとで行われるので、外部の事業所であるステーションが指示書を受ける仕組みとは区別して覚えます。
人員基準と設備基準
- 看護職員(保健師・看護師・准看護師)を常勤換算で2.5人以上配置し、そのうち1人以上は常勤です。
- 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は、事業所の実情に応じて適当数を配置できます。
- 管理者は原則として常勤の保健師または看護師です(准看護師は管理者になれません)。
- 設備としては、事業運営に必要な広さの専用の事務室と、訪問看護の提供に必要な設備・備品を備えることが求められます。
実践とのつながり
在宅療養では、医師が毎回その場にいるわけではありません。指示書で医師の方針を確認し、計画書・報告書で状態の変化を返すという往復があるからこそ、看護師は医師と情報を共有しながら安全に処置やケアを続けられます。在宅看護論では、この連携の流れと、介護保険と医療保険のどちらで訪問看護が行われるかが繰り返し問われます。
選択肢の確認
1.看護職員以外は配置できない。:人員基準では、看護職員(常勤換算2.5人以上)に加えて、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を実情に応じて配置できると定められているため、誤りです。これらリハビリ職による訪問は、訪問看護の一環として行われます。事務職員を置くことも可能です。「看護職でなければならない」のは管理者(原則として常勤の保健師または看護師)の要件であり、職員全体の要件と取り違えないようにします。
2.緊急時用の薬剤の保管が義務付けられている。:設備基準で求められているのは専用の事務室と訪問看護の提供に必要な設備・備品であり、緊急時用の薬剤を保管する義務はないため、誤りです。訪問看護で使う薬剤は、原則として医師の処方により療養者に交付されたものを、指示書の内容に沿って使います。緊急時は24時間の連絡・対応体制で主治医と連携して対応するのが基本です。病棟の救急カートのような備えと混同しないようにします。
3.訪問看護指示書に基づいて療養者のケアを行う。:正答。訪問看護は診療の補助を含むため、主治医が交付する訪問看護指示書(有効期間は最長6か月)に基づいて行います。ステーションは指示書をもとに訪問看護計画書を作成し、訪問看護報告書で主治医に経過を報告します。
4.従事する看護職員は5年以上の臨床経験が必要である。:指定訪問看護ステーションの人員基準に、看護職員の臨床経験年数を要件とする規定はないため、誤りです。「5年」という数字は、介護支援専門員の実務研修受講試験の受験資格(法定資格に基づく実務経験5年以上)や、認定看護師教育課程の受講要件(実務経験5年以上)と混同しやすいので注意します。実際には1人で訪問して判断する場面が多いため、各事業所で教育体制を整えていますが、法令上の要件ではありません。
覚えるポイント
- 訪問看護ステーションの訪問看護は、主治医の訪問看護指示書に基づいて行います。有効期間は最長6か月です。
- 特別訪問看護指示書は急性増悪・終末期・退院直後などに交付され、最長14日・原則月1回です。この期間は医療保険で頻回訪問ができます。
- ステーションは訪問看護計画書と訪問看護報告書を主治医に提出し、医師と情報を共有します。
- 人員基準は、看護職員が常勤換算2.5人以上(うち1人は常勤)で、PT・OT・STも配置可能です。管理者は原則として常勤の保健師または看護師です。
- 臨床経験年数の要件や薬剤保管の義務はありません。「5年以上」は介護支援専門員の受験資格や認定看護師の受講要件と混同しないようにします。
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