113PM085|第113回 看護師国家試験 過去問
成人の気管内吸引の方法で適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 1・4
正答
1・4
この問題のポイント
成人の気管内吸引において、安全性と効果を確保するためには、上気道の分泌物除去、適切なカテーテル挿入位置、時間の制限が不可欠です。特に、吸引前に咽頭部の分泌物を除去し、カテーテルを気管分岐部にあたらないように挿入することは、粘膜損傷や迷走神経反応を防ぐ上で極めて重要です。
解説
気管内吸引は、人工気道内での分泌物除去に用いられるが、その過程で気道粘膜の損傷や低酸素反応を引き起こすリスクがあります。そのため、吸引前に咽頭部の分泌物をまず除去することで、気管への分泌物のたれ込みを防ぎ、再汚染やVAP(呼吸器関連感染)リスクを軽減します。また、カテーテルは気管分岐部に当たらないように、気管チューブ先端を超えない位置で挿入することで、粘膜損傷や咳嗽、迷走神経反射を未然に防ぎます。これらの行動は、日本呼吸療法医学会のガイドライン2023で推奨されており、患者安全の観点から必須です。
選択肢の確認
1.実施前に咽頭部の分泌物を吸引する。:正しい。上気道の分泌物を先に除去することで、気道の汚染を防ぐ。
2.吸引圧は安40 kPa(300 mmHg)に調整する。:適切でない。成人では−20〜−26.6kPa(150〜200mmHg)以下が推奨。高圧は粘膜損傷を引き起こす。
3.気管チューブと同じ内径のカテーテルを用いる。:適切でない。カテーテル径は人工気道内径の1/2以下が原則。同径では気道閉塞が生じる。
4.カテーテルは気管分岐部にあたらないように挿入する。:正しい。分岐部に当たると粘膜損傷や迷走反応が生じる。
5.カテーテルの挿入開始から終了まで30 秒で行う。:適切でない。1回の吸引は15秒以内が推奨。30秒は低酸素や循環変動を引き起こすリスクがある。
覚えるポイント
「まず上気道をきれいに、分岐部に当たらないように」。この2つの行動が、気管内吸引の安全な実施に最も重要です。