20AM035|第20回 言語聴覚士国家試験 過去問
老年期には補償を伴う選択的最適化によって発達が促されるとするBaltes,P.B.による理論はどれか。
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正解: 3
正答
(3)
この問題のポイント
Baltesの生涯発達理論における、選択・最適化・補償の英語頭文字がSOCです。加齢に伴う資源の制約の中でも、目標を選び、資源を集中し、損失を補うことで適応を高めます。
解説
SOC理論はSelection、Optimization、Compensationからなります。選択は重要な目標や活動を絞ること、最適化は練習・努力・資源配分により選んだ領域の能力を最大化すること、補償は能力低下や資源喪失を補助具、他者援助、別手段で補うことです。たとえば高齢のピアニストが演奏曲を絞り、重点練習を増やし、遅い部分を際立たせる工夫で速さの低下を補う例が知られています。サクセスフル・エイジングは疾病・障害の低さ、高い機能、社会参加などを論じる広い概念で、ポジティブ、プロダクティブ・エイジングも老年期の肯定的側面や生産的役割を表しますが、「補償を伴う選択的最適化」という機制名そのものはSOCです。
選択肢の確認
1.「サクセスフル・エイジング」は良好な老いの多面的状態を扱う概念ですが、選択・最適化・補償の名称ではありません。
2.「ポジティブ・エイジング」は老いの肯定的側面を強調する一般概念です。
3.「SOC理論」はSelection・Optimization・Compensationの理論であり正答です。
4.「プロダクティブ・エイジング」は就労・奉仕・ケアなど生産的役割への参加を重視します。
5.「ソーシャルネットワーク理論」は対人関係網と支援を扱い、個人内の資源配分方略とは異なります。
覚えるポイント
SOCは目標を選ぶSelection、能力を磨くOptimization、失った機能を別手段で補うCompensationです。発達には獲得だけでなく喪失への適応も含まれます。