Y2019M04Q33|2019年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
エックス線被ばくによる造血器官及び血液に対する影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 1
正答
(1)
この問題のポイント
赤色骨髄の造血幹・前駆細胞は盛んに分裂するため高感受性です。末梢血ではリンパ球が例外的に早く減少し、その他の成熟血球は造血細胞より抵抗性です。
解説
ベルゴニー・トリボンドーの法則では、分裂が盛んで未分化、将来の分裂回数が多い細胞ほど高感受性です。細胞周期ではM期・G2後期が高く、S後期は低い傾向があります。
リンパ球は末梢血中でも高感受性で、全身被ばく後早期から減少するため生物学的線量評価にも用いられます。
選択肢の確認
1.末梢血液中の血球は、リンパ球を除いて、造血器官中の未分化な細胞より放射線感受性が低い。
○ 判定:正答(記述は正しい)。末梢血中の成熟血球は原則として分裂せず、増殖中の骨髄造血幹・前駆細胞より放射線感受性が低くなります。成熟細胞でも高感受性のリンパ球を除いた記述なので正しいです。
2.造血器官である骨髄のうち、脊椎の中にあり、造血幹細胞の分裂頻度が極めて高いものは脊髄である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。造血を行うのは椎骨などの赤色骨髄で、脊髄は脊柱管内を走る中枢神経組織です。骨髄と脊髄を混同した記述です。
3.ヒトの末梢血液中の血球数の変化は、被ばく量が1Gy 程度までは認められない。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。末梢血球数の変化は全身約0.25 Gy程度から認められ得るため、1 Gyまで変化しないという線量水準は高すぎます。
4.末梢血液中の血球のうち、被ばく後減少が現れるのが最も遅いものは血小板である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。末梢血で減少が最も遅いのは寿命約120日の赤血球です。血小板を最も遅いとする血球寿命の比較が誤りです。
5.末梢血液中の赤血球の減少は貧血を招き、血小板の減少は感染に対する抵抗力を弱める原因となる。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。血小板減少は止血機能を低下させて出血傾向を招きます。感染への抵抗力低下は主に白血球減少と対応します。
覚えるポイント
造血を行うのは脊髄ではなく赤色骨髄です。寿命の長い赤血球は遅れて減少し、赤血球低下は貧血、血小板低下は出血、白血球低下は感染防御低下につながります。