Y2020M10Q23|2020年10月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
放射線の測定の用語に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
気体のW値は1イオン対形成の平均エネルギーです。半導体中の1電子・正孔対に対応するのはε値で、Siで約3.6 eVであり、G値や100 eVではありません。
解説
誤りは記述2です。気体中のイオン対形成に必要な平均エネルギーをW値、半導体中の電子・正孔対形成に必要なエネルギーをε値と呼び、Siでは約3.6 eVです。G値は化学収率で、吸収エネルギー100 eV当たりに生成または消失する分子数を表します。バックグラウンド、電子の二次電離連鎖である気体増幅、国家標準へ連続する校正連鎖であるトレーサビリティの説明は正しいです。
選択肢の確認
1.放射線が気体中で1 個のイオン対を作るのに必要な平均エネルギーをW 値といい、放射線の種類やエネルギーにあまり依存せず、気体の種類に応じてほぼ一定の値をとる。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。W値は気体中にイオン対1個を生成する平均エネルギーで、同じ気体なら放射線種・エネルギーへの依存が小さい量です。
2.放射線が半導体中で1 個の電子・正孔対を作るのに必要なエネルギーをG 値といい、シリコンの結晶では100eV 程度である。
× 判定:正答(誤っている記述)。半導体中の電子・正孔対1個当たりの平均生成エネルギーはε値で、Siでは約3.6 eVです。G値と100 eVを対応させた点が誤りです。
3.放射線計測において、測定しようとする放射線以外の、自然又は人工線源からの放射線を、バックグラウンド放射線という。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。目的とする線源以外の自然・人工放射線による寄与をバックグラウンド放射線と呼びます。正しい定義です。
4.入射放射線によって気体中に作られたイオン対のうち、電子が電界で強く加速され、更に多くのイオン対を発生させることを気体(ガス)増幅という。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。電子が強電界で加速されて二次電離を連鎖的に起こす現象が気体増幅です。比例計数管やGM管の信号形成に使われます。
5.計測器がより高位の標準器又は基準器によって次々と校正され、国家標準につながる経路が確立されていることをトレーサビリティといい、放射線測定器の校正は、トレーサビリティが明確な基準測定器又は基準線源を用いて行う必要がある。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。国家標準まで切れ目なく遡れる校正の連鎖がトレーサビリティです。校正済み基準器・線源を使う説明は正しいです。
覚えるポイント
G値は吸収エネルギー100 eV当たりの化学変化分子数です。トレーサビリティは校正結果が切れ目のない連鎖で国家標準へ遡れる性質で、気体増幅は電界による二次電離連鎖です。