Y2022M04Q362022年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問

エックス線の生体に与える影響に関する知識確定的影響・確率的影響

放射線による身体的影響に関する次のA からD の記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。 A 眼の被ばくで起こる白内障は、早期影響に分類され、その潜伏期は3~10 週間であるが、被ばく線量が多いほど短い傾向にある。 B 再生不良性貧血は、2Gy 程度の被ばくにより、末梢血液中の全ての血球が著しく減少し回復不可能になった状態をいい、潜伏期は1 週間以内で、早期影響に分類される。 C 晩発影響である白血病の潜伏期は、その他のがんに比べて一般に短い。 D 晩発影響には、その重篤度が、被ばく線量に依存するものとしないものがある。

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正解: 5

正答

(5)

この問題のポイント

身体的影響には早期の組織反応、晩発の組織反応、発がんなどの確率的影響があります。時期(早期/晩発)と機序(組織反応/確率的)を混同しないことが重要です。白内障は水晶体上皮細胞の損傷が時間をおいて混濁として現れる晩発組織反応です。全身約2 Gyでは骨髄の造血機能が回復する余地があり、全血球減少が必ず不可逆とはいえません。

解説

条件を満たす記述は「C,D」です。
A:誤り。白内障は水晶体上皮細胞の損傷が時間をおいて混濁として現れる晩発組織反応です。3~10週間の早期影響と分類する点が誤りです。
B:誤り。全身約2 Gyでは骨髄の造血機能が回復する余地があり、全血球減少が必ず不可逆とはいえません。放射線性再生不良性貧血は造血幹細胞減少による晩発性の骨髄組織反応であり、潜伏期1週以内の早期影響とするのは誤りです。
C:正しい。放射線白血病は被ばく後数年から増加し得るのに対し、多くの固形がんはより長い潜伏期をとるため正しい比較です。
D:正しい。晩発影響には、重篤度が線量とともに増す組織反応と、重篤度ではなく発生確率が増す発がんなどがあるため正しい記述です。

選択肢の確認

1.A,B
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Aは組合せに入れられません。白内障は水晶体上皮細胞の損傷が時間をおいて混濁として現れる晩発組織反応です。3~10週間の早期影響と分類する点が誤りです。 Bは組合せに入れられません。全身約2 Gyでは骨髄の造血機能が回復する余地があり、全血球減少が必ず不可逆とはいえません。放射線性再生不良性貧血は造血幹細胞減少による晩発性の骨髄組織反応であり、潜伏期1週以内の早期影響とするのは誤りです。 Cは組合せに必要です。放射線白血病は被ばく後数年から増加し得るのに対し、多くの固形がんはより長い潜伏期をとるため正しい比較です。 Dは組合せに必要です。晩発影響には、重篤度が線量とともに増す組織反応と、重篤度ではなく発生確率が増す発がんなどがあるため正しい記述です。

2.A,C
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Aは組合せに入れられません。白内障は水晶体上皮細胞の損傷が時間をおいて混濁として現れる晩発組織反応です。3~10週間の早期影響と分類する点が誤りです。 Dは組合せに必要です。晩発影響には、重篤度が線量とともに増す組織反応と、重篤度ではなく発生確率が増す発がんなどがあるため正しい記述です。

3.B,C
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Bは組合せに入れられません。全身約2 Gyでは骨髄の造血機能が回復する余地があり、全血球減少が必ず不可逆とはいえません。放射線性再生不良性貧血は造血幹細胞減少による晩発性の骨髄組織反応であり、潜伏期1週以内の早期影響とするのは誤りです。 Dは組合せに必要です。晩発影響には、重篤度が線量とともに増す組織反応と、重篤度ではなく発生確率が増す発がんなどがあるため正しい記述です。

4.B,D
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Bは組合せに入れられません。全身約2 Gyでは骨髄の造血機能が回復する余地があり、全血球減少が必ず不可逆とはいえません。放射線性再生不良性貧血は造血幹細胞減少による晩発性の骨髄組織反応であり、潜伏期1週以内の早期影響とするのは誤りです。 Cは組合せに必要です。放射線白血病は被ばく後数年から増加し得るのに対し、多くの固形がんはより長い潜伏期をとるため正しい比較です。

5.C,D
○ 判定:正答(記述は正しい)。Cは正しい記述です。放射線白血病は被ばく後数年から増加し得るのに対し、多くの固形がんはより長い潜伏期をとるため正しい比較です。 Dは正しい記述です。晩発影響には、重篤度が線量とともに増す組織反応と、重篤度ではなく発生確率が増す発がんなどがあるため正しい記述です。

覚えるポイント

早期・晩発は発症までの時間、組織反応・確率的影響は線量反応の型を表します。発症時期だけから、しきい線量の有無を決めることはできません。 発症時期が遅いことだけを理由に、影響を確率的影響へ分類することはできません。

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