Y2022M10Q34|2022年10月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
放射線の生体影響などに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 1
正答
(1)
この問題のポイント
OERは同じ生物効果を生じる無酸素下線量を酸素存在下線量で割った値です。SH化合物はラジカルを捕捉して効果を弱め、LD50は個体集団、D0は細胞生存曲線の指標なので区別します。
解説
酸素増感比OERは、同じ生物学的効果を生じるのに必要な無酸素(又は低酸素)条件の線量を、酸素存在下の線量で割った比です。低LET放射線では酸素が効果を増強するため、通常OERは1より大きくなります。この定義に合う1が正答です。平均致死線量D₀は細胞生存率が約37%となる指標で、個体の半致死線量とは別物です。
選択肢の確認
1.酸素増感比(OER)は、酸素が存在しない状態と存在する状態とで同じ生物学的効果を与える線量の比により、酸素効果の大きさを表したものである。
○ 判定:正答(記述は正しい)。酸素の有無で同一効果を生じる線量を比較し、酸素効果の大きさを表します。
2.システイン、システアミンなどのSH 基をもつ化学物質は、放射線の生物効果を増大する効果を示す。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。システインやシステアミンなどのSH化合物はラジカルを捕捉し、生物効果を軽減します。
3.半致死線量は、細胞の放射線感受性を表す指標として用いられ、その値が大きいほど、細胞の放射線感受性は高い。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。半致死線量LD50は、定めた期間内に個体集団の50%が死亡する線量です。培養細胞の感受性は生存曲線のD₀などで比較し、どちらも必要線量が大きいほど抵抗性が高いため、用語と大小関係の両方が誤りです。
4.全致死線量は、半致死線量の2 倍に相当する線量であり、この線量を被ばくした個体は数時間~数日のうちに死亡する。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。全致死線量をLD50のちょうど2倍とする定義はなく、死亡時期も線量と主障害臓器で変わります。
5.平均致死線量は、被ばくした集団のうち50%の個体が一定の期間内に死亡する線量である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。集団の50%が死亡するのは半致死線量であり、平均致死線量D₀の定義ではありません。
覚えるポイント
半致死線量は一定期間内に集団の50%が死亡する線量で、感受性が高い集団ほど小さくなります。全致死線量をLD50の単純な2倍と定義することはできません。