Y2022M10Q35|2022年10月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
ヒトが一時に全身にエックス線の照射を受けた場合の早期影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
LD50/60は60日以内に半数が死亡する線量で、主に造血障害が関与します。全身線量が上がると造血器、消化管、中枢神経系の順に主な急性放射線症候群が移ります。全身急性被ばくでは、線量域に応じて造血器症候群、消化管症候群、中枢神経系症候群が現れます。
解説
LD50/60は、被ばくした集団の50%が60日以内に死亡する全身線量を表します。この線量域では主に骨髄の造血幹細胞が障害され、感染や出血が致死要因となるため2が正答です。一般に、数Gy域は造血器障害、より高い5~10 Gy程度からは消化管障害、さらに数十Gy級では神経血管系障害が中心になります。
選択肢の確認
1.0.5Gy 以下の被ばくでは、末梢血液の検査で異常が認められることはない。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。約0.25 Gy程度から末梢血中の有形成分の変化が観察されることがあり、0.5 Gy以下なら必ず無異常とはいえません。
2.LD50/60 に相当する線量の被ばくでは、被ばくしたヒトのうち約半数のヒトが、60 日以内に、主に造血器官の障害により死亡する。
○ 判定:正答(記述は正しい)。LD50/60は約半数が60日以内に、主として造血器障害で死亡する線量です。
3.被ばくした全てのヒトが60 日以内に死亡する線量の最小値は、約4Gy である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。約4 GyはLD50/60に近い線量域で、全員が死亡する最小線量ではありません。
4.3~5Gy 程度の被ばくによる死亡は、主に消化器官の障害によるものである。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。3~5 Gy程度では主に造血器障害が問題となり、消化管障害が主因となるのはより高線量です。
5.5~10Gy 程度の被ばくによる死亡は、主に中枢神経系の障害によるものである。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。5~10 Gyの全身被ばくでは重篤な造血器障害が中心で、高線量側では消化管障害も加わります。中枢神経系症候群が主な死因となるのはさらに高い数十Gy級なので、影響系の対応が誤りです。
覚えるポイント
線量が上がる順に造血器→消化管→中枢神経。LD50/60は全身急性被ばく後60日以内に集団の50%が死亡する線量で、主因は造血器障害です。線量が高い症候群ほど死亡までが短いと整理します。