Y2023M04Q24|2023年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
エックス線の測定に用いるNaI(Tl)シンチレーション検出器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
パルス波高は一事象の付与エネルギー、単位時間のパルス数は計数率に対応します。NaI結晶中の発光を光電子増倍管で電気パルスへ変換します。NaI(Tl)のTlは発光中心を形成する活性剤で、結晶は潮解を防ぐ気密容器へ封入します。
解説
Tl活性中心がNaI結晶内の励起エネルギーを効率よく可視光へ変換します。長残光の紫外線ではないため(2)が誤りです。1光子を発生させる平均付与エネルギーはおよそ30 eVで、発光光子数が入射エネルギーに比例するため、出力パルス波高からエネルギーを推定できます。
選択肢の確認
1.シンチレータに混入される微量のタリウムは、発光波長の調整や発光量増加の役割を果たす活性剤である。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。微量Tlは発光波長調整と発光効率向上を担う活性剤です。
2.シンチレータにエックス線が入射すると、紫外領域の減衰時間の長い光が放射される。
× 判定:正答(誤っている記述)。主発光は青紫色の可視域で、減衰も短時間です。 パルス波高は一事象の付与エネルギー、単位時間のパルス数は計数率に対応します。
3.シンチレータから放射された光は、光電子増倍管の光電面で光電子に変換され、増倍された後、電流パルスとして出力される。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。PMT光電面で光電子へ変換し、ダイノードで増倍して電流パルスを得ます。
4.1 つの光子の発生に必要な平均エネルギーは、約30eV である。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。NaI(Tl)ではシンチレーション光子1個当たりの平均エネルギーは約30 eVです。
5.光電子増倍管の増倍率は印加電圧に依存するので、光電子増倍管の高圧電源は安定化する必要がある。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。PMT利得は高電圧に敏感なので、安定化電源が必要です。
覚えるポイント
波高=エネルギー、パルス数/時間=計数率。光電子増倍管の高圧は安定化します。シンチレーション光は光電面で光電子へ変換され、ダイノードで増倍されて電流パルスとして出力されます。