Y2023M10Q38|2023年10月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
生体に対する放射線効果に関する次のA からD の記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。 A 平均致死線量は、ある組織・臓器の個々の細胞を死滅させる最小線量を、その組織・臓器全体にわたり平均した線量で、この値が大きい組織・臓器の放射線感受性は高い。 B 半致死線量は、被ばくした集団中の個体の50%が一定期間内に死亡する線量であり、動物種の放射線感受性を比較するときなどに用いられる。 C 全致死線量は、半致死線量の2 倍に相当する線量であり、この線量を被ばくした個体は数時間から数日のうちに死亡してしまう。 D OER(酸素増感比)とは、酸素が存在しない状態と存在する状態とを比較し、同じ生物効果を与える線量の比で、酸素効果の大きさを表すものである。
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正解: 4
正答
(4)
この問題のポイント
LD50は一定期間内に集団の50%が死亡する線量で、動物種の感受性比較に使います。全致死線量をLD50の単純な2倍と定義できず、死亡までの時間もその定義から固定されません。
解説
条件を満たす記述は「B,D」です。
A:誤り。細胞生存曲線の平均致死線量D0は大きいほど抵抗性が高く、個々の細胞を死滅させる最小線量の平均という定義でもありません。
B:正しい。LD50は一定期間内に個体集団の50%が死亡する線量で、動物種の感受性比較にも使うため正しい記述です。
C:誤り。全致死線量はLD50の単純な2倍と定義されず、死亡までが数時間から数日と一律に決まるわけでもありません。
D:正しい。OERは同一効果に必要な無酸素下線量と酸素存在下線量の比で、酸素効果の大きさを表すので正しい記述です。
選択肢の確認
1.A,C
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。AはD₀の定義ではなく、値が大きいほど感受性が高いという関係も逆です。Cにも全致死線量をLD50の2倍とする定義はありません。
2.A,D
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Dは正しいですが、Aが誤りです。 低LET放射線では酸素効果が大きく、高LET放射線ではOERが1へ近づきます。
3.B,C
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Bは正しいですが、Cが誤りです。 LD50は一定期間内に個体群の50%が死亡する線量で、細胞生存曲線の平均致死線量D0とは別です。
4.B,D
○ 判定:正答(記述は正しい)。BのLD50の定義とDのOERの定義はいずれも正しい記述です。
5.C,D
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Dは正しいですが、Cが誤りです。 OERは同一効果を与える無酸素下線量を酸素存在下線量で割った値です。
覚えるポイント
OERは同じ効果を与える無酸素下線量を酸素存在下線量で割ります。細胞生存曲線のD0と個体集団の致死線量は対象と意味が異なります。