Y2025M04Q32|2025年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
放射線によるDNA の損傷と修復に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 4
正答
(4)
この問題のポイント
低LETのX線では水の放射線分解を介する間接作用が優位で、酸素はラジカル損傷を固定します。2本鎖切断は頻度は低いものの修復が難しく、NHEJでは誤結合が起こり得ます。エックス線では水の放射線分解で生じたラジカルによる間接作用が大きく、塩基損傷、1本鎖切断、2本鎖切断を生じます。
解説
エックス線では水の放射線分解で生じたラジカルによる間接作用が大きく、塩基損傷、1本鎖切断、2本鎖切断を生じます。2本鎖切断は頻度は低いものの修復が難しく、NHEJでは誤結合が起こり得ます。
NHEJは切断端を直接つなぐため速い一方、塩基の欠失・挿入や誤結合を伴うことがあります。
選択肢の確認
1.放射線によるDNA 損傷には、塩基損傷とDNA 鎖切断があるが、間接電離放射線では、塩基損傷は生じない。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。低LETのX線でも、水由来ラジカルが塩基を酸化・変性させるため塩基損傷は生じます。間接電離放射線では塩基損傷がないとする断定が誤りです。
2.DNA 鎖切断のうち、二重らせんの片方だけが切れる1 本鎖切断は、細胞死などの重篤な細胞障害に関連が深い。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。1本鎖切断は比較的高頻度ですが、相補鎖を鋳型に修復しやすい損傷です。重篤な細胞死と関係が深いのは主に2本鎖切断です。
3.細胞には、DNA 鎖切断を修復する機能があり、修復が誤りなく行われれば、細胞は回復し、正常に増殖を続けるが、塩基損傷を修復する機能はない。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。細胞はDNA鎖切断だけでなく、塩基除去修復やヌクレオチド除去修復などで塩基損傷も修復します。塩基修復機能がないとする部分が誤りです。
4.DNA 鎖切断の修復方式のうち、非相同末端結合修復は、DNA 切断端どうしを直接結合する方式である。
○ 判定:正答(記述は正しい)。非相同末端結合は、相同配列の鋳型を使わずDNA切断端どうしを直接結合する2本鎖切断修復経路です。経路の定義を正しく述べています。
5.DNA 鎖切断のうち、2 本鎖切断はDNA 鎖の組換え現象が利用されるため、1 本鎖切断に比べて容易に修復される。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。2本鎖切断は両方のDNA鎖に情報断裂があり、相同組換に必要な姉妹染色分体も細胞周期によっては利用できません。1本鎖切断より容易とする部分が誤りです。
覚えるポイント
X線=間接作用優位、SSB=多く修復しやすい、DSB=少ないが重い、NHEJ=誤り得る、と整理します。NHEJは切断端を直接つなぐため速い一方、塩基の欠失・挿入や誤結合を伴うことがあります。