Y2025M04Q37|2025年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
エックス線被ばくによる造血器官及び血液に対する影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 1
正答
(1)
この問題のポイント
未分化な造血細胞は赤色骨髄で分裂しており、末梢の成熟血球より放射線に弱い細胞集団です。成熟リンパ球は例外的に感受性が高く、被ばく直後から減少します。
解説
ベルゴニー・トリボンドーの法則では、分裂が盛んで未分化、将来の分裂回数が多い細胞ほど高感受性です。細胞周期ではM期・G2後期が高く、S後期は低い傾向があります。
リンパ球は末梢血中でも高感受性で、全身被ばく後早期から減少するため生物学的線量評価にも用いられます。
選択肢の確認
1.末梢血液中の血球は、リンパ球を除いて、造血器官中の未分化な細胞より放射線感受性が低い。
○ 判定:正答(記述は正しい)。末梢血の成熟血球は、例外的に高感受性のリンパ球を除き、赤色骨髄の未分化な造血幹・前駆細胞より放射線感受性が低いため正しい記述です。
2.造血器官である骨髄のうち、脊椎の中にあり、造血幹細胞の分裂頻度が極めて高いものは脊髄である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。脊髄は脊柱内の中枢神経組織で、造血器官ではありません。造血幹細胞が分裂して血球を供給するのは脊椎骨などに残る赤色骨髄です。
3.末梢血液中の血球数の減少は、被ばく量が1Gy 程度までは認められない。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。末梢血球数の変化は全身約0.25 Gy=250 mGy程度から認め得ます。1 Gyまで減少しないとする記述は、造血組織の感受性を過小評価しています。
4.末梢血液中のリンパ球は、被ばく直後、一時的に増加が認められる。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。リンパ球は成熟血球の中で例外的に放射線感受性が高く、被ばく後の早い時期から末梢血中で減少します。一時的に増加するという方向が逆です。
5.末梢血液中の赤血球の減少は貧血を招き、血小板の減少は感染に対する抵抗力を弱める原因となる。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。赤血球減少が貧血を招く部分は正しいです。しかし血小板減少は止血能を低下させて出血傾向を招き、感染防御を弱めるのは白血球減少です。
覚えるポイント
造血幹細胞が障害されると末梢への血球補給が減ります。赤血球は寿命が約120日と長いため低下が遅く、血小板低下は出血傾向、白血球低下は感染防御低下を招きます。