Y2026M04Q36|2026年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
放射線による遺伝的影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
生殖細胞変異は子孫へ伝わり得ますが、体細胞変異は被ばく者本人の影響として扱います。子孫へ伝わる可能性があるのは生殖細胞の変異です。倍加線量は自然突然変異率を2倍にする線量で、値が大きいほど単位線量当たりの遺伝的リスクは小さいと解釈します。
解説
遺伝的影響は、生殖細胞系列に生じた変異が受精を通じて次世代へ伝わる影響です。したがって、この設問の枠組みでは生殖腺が被ばくしなければ遺伝的影響は生じないとする2が正答です。遺伝的影響は確率的影響として扱われ、倍加線量が小さいほど単位線量当たりに相対的な突然変異リスクが大きいことを意味します。
選択肢の確認
1.遺伝的影響には、しきい線量があり、ヒトでは1Gy 程度と推定されている。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。遺伝的影響は確率的影響で、防護上1 Gyのしきい線量があるとは扱いません。
2.生殖腺が被ばくしなければ、遺伝的影響が生じるおそれはない。
○ 判定:正答(記述は正しい)。次世代へ伝わるには、生殖腺にある生殖細胞系列の被ばくが必要です。
3.胎内被ばくを受け、出生した子供にみられる発育遅延は、遺伝的影響である。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。胎内被ばくを受けた本人の発育遅延は発生影響で、遺伝的影響ではありません。
4.親の体細胞に突然変異が生じると、子孫に遺伝的影響が生じる。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。親の体細胞変異はその親の身体的影響で、生殖細胞を介さないため子孫へ伝わりません。
5.倍加線量は、放射線による遺伝的影響を推定する指標とされ、その値が小さいほど遺伝的影響は起こりにくい。
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。倍加線量が小さいほど少ない線量で自然突然変異数と同程度を追加し、影響は起こりやすいと評価します。
覚えるポイント
倍加線量は大きいほど遺伝的影響が起こりにくい指標です。体細胞=本人、生殖細胞=子孫。胎内被ばくで出生児本人に現れる発育遅滞は身体的影響であり、子孫へ伝わる遺伝的影響とは区別します。