35Q78第35回 介護福祉士国家試験 過去問

介護コミュニケーション技術

介護実践の場で行われる、勤務交代時の申し送りの目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.利用者へのケアの継続性を保つ。

この問題のポイント

勤務交代時の申し送りは、前の勤務者が把握した利用者の状態、実施したケア、その結果、次の勤務者が対応すべき事項を確実に伝えるために行います。

担当者や勤務時間が変わっても、必要なケアが途切れず、安全で一貫した支援を継続できるようにすることが主な目的です。

解説

介護は、複数の職員が勤務を交代しながら継続して提供します。申し送りが不十分だと、利用者の状態変化を見落とす、必要な観察や援助が行われない、同じ確認を繰り返して利用者に負担をかけるなどの問題が起こる可能性があります。

申し送りでは、体調や生活状況の変化、食事・排泄・睡眠の状態、転倒などの事故やリスク、実施したケアとその反応、本人の希望、次の勤務帯で継続する観察や対応などを伝えます。重要度と緊急度を整理し、観察した事実と職員の判断を区別して、簡潔かつ正確に伝えることが必要です。

申し送りは、勤務表の作成、レクリエーション計画、詳しい事例検討を行う会議ではありません。また、記録と申し送りは互いを補うものであり、口頭で伝えたから記録しなくてよいというものでもありません。

ひっかけポイント

選択肢5の「利用者とケアの方針を共有する」ことも、本人中心の介護には重要です。しかし、勤務交代時の申し送りは、交代する職員間で必要な情報を引き継ぎ、ケアを途切れさせないために行うものです。誰と何を共有する場面なのかを区別します。

介護実践でのポイント

申し送りでは、緊急性の高い情報から伝え、日時、状態、実施した対応、本人の反応、今後必要な対応を明確にします。「いつもと違う」「何となく変」だけで終わらせず、食事量、体温、発言、行動など具体的な事実を添えます。不明点はその場で確認し、利用者の個人情報が関係のない人に聞こえない環境にも配慮します。

選択肢の確認

1.翌月の介護福祉職の勤務表を検討する。

誤りです。
勤務表の検討は人員配置や勤務管理に関する業務です。利用者の状態や継続すべきケアを次の勤務者へ伝える申し送りの目的ではありません。

2.利用者のレクリエーション活動を計画する。

誤りです。
レクリエーション活動の計画には、本人の希望や心身の状態、目的などを検討する時間が必要です。必要な予定を申し送ることはありますが、活動計画そのものが勤務交代時の申し送りの目的ではありません。

3.利用者の問題解決に向けた事例検討を行う。

誤りです。
事例検討は、情報を詳しく分析し、課題や支援方法を複数の職員で検討する場です。限られた時間で重要事項を引き継ぐ勤務交代時の申し送りとは、目的と進め方が異なります。

4.利用者へのケアの継続性を保つ。

正しいです。
利用者の状態や実施したケア、次に必要な対応を交代する職員へ伝えることで、勤務者が変わっても必要なケアを安全かつ継続的に提供できます。

5.利用者とケアの方針を共有する。

誤りです。
ケアの方針を本人に説明し、意向を確認して共有することは重要ですが、それは勤務交代時の職員間の申し送りが主目的とするものではありません。

覚えるポイント

  • 申し送りの主目的は、ケアの継続性と安全性を保つことである。
  • 状態変化、実施したケア、反応、次に必要な対応を引き継ぐ。
  • 観察した事実と職員の判断を区別する。
  • 申し送りを行っても、必要な記録は残す。
  • 個人情報が周囲に漏れないように配慮する。

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