9PM139第9回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-04 強迫症・関連症

25 歳の女性A、金融会社勤務。特定の数字を見ると強い不安を感じ、仕事に支障を来すようになったため、会社の健康管理室を訪れた。Aによると、半年前に転職したが、会社の書類に「4」や「9」など不吉と思う数字を目にすると、「ノルマを達成できないのではないか」という考えが頭から離れず、業務に集中できなくなった。A自身は「こんな考えは馬鹿げている」と理解しているが、深呼吸を 7 回して気持ちを落ち着かせようとすることが欠かせない。最近では、通勤電車の広告に不吉な数字を見つけるたびに、次の駅で電車を降りることを繰り返し、会社に 1 時間以上遅刻してしまうこともあるという。  Aの病態の理解として、最も適切なものを 1 つ選べ。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この事例では、Aにみられる強迫観念強迫行為を読み取ることが重要です。

Aは「4」や「9」などの数字を見ると、「ノルマを達成できないのではないか」という考えが頭から離れなくなります。さらに、その不安を打ち消すために深呼吸を7回する、電車を降りるといった行動を繰り返しています。本人も「馬鹿げている」と理解している点も、強迫症の理解に合います。

解説

強迫症では、自分でも不合理だと感じる考え、イメージ、衝動が繰り返し浮かびます。これを強迫観念といいます。そして、不安を下げたり、悪いことを防いだりするために、繰り返し行う行動や心の中の儀式を強迫行為といいます。

この事例では、特定の数字を見たことをきっかけに、「ノルマを達成できないのではないか」という考えが頭から離れなくなります。これは強迫観念として理解できます。また、深呼吸を7回する、広告に不吉な数字を見つけるたびに次の駅で電車を降りるといった行動は、不安を軽減するための儀式的行為であり、強迫行為に当たります。

その結果、業務に集中できない、会社に1時間以上遅刻するなど、生活や職業機能に明らかな支障が出ています。したがって、病態理解として最も適切なのは強迫症です。

事例問題で見るポイント
強迫症では、「不合理と分かっているのに頭から離れない考え」と「不安を下げるための繰り返し行動」をセットで確認します。

選択肢の確認

1.うつ病
判定:適切とはいえない。
うつ病では、抑うつ気分、興味や喜びの低下、睡眠や食欲の変化、易疲労感、罪責感、希死念慮などが中心になります。本事例では、不吉な数字に関する強迫観念と儀式的行動が中心であり、うつ病が最も適切とはいえません。

2.強迫症
判定:最も適切。
Aは、特定の数字を見た後に不安な考えが頭から離れず、その不安を下げるために深呼吸を7回する、電車を降りるなどの行動を繰り返しています。本人が不合理だと理解している点、仕事や通勤に支障が出ている点から、強迫症が最も適切です。

3.社交不安症
判定:適切とはいえない。
社交不安症は、他者から注目される場面や評価される場面で強い不安や回避が生じる病態です。本事例では、人前での評価不安ではなく、不吉な数字に関する強迫観念と強迫行為が中心です。

4.全般不安症
判定:適切とはいえない。
全般不安症では、仕事、健康、家族、将来など複数の領域について過剰で制御困難な心配が持続します。本事例では、不安の焦点が特定の数字とそれに伴う儀式的行動に結びついており、強迫症の理解がより適切です。

5.限局性恐怖症
判定:適切とはいえない。
限局性恐怖症は、特定の対象や状況に対して強い恐怖を抱き、回避する病態です。Aは数字そのものを恐れているだけでなく、数字にまつわる不吉な考えを打ち消すために儀式的行動を繰り返しているため、強迫症の理解が適切です。

覚えるポイント

  • 強迫観念は、不合理だと分かっていても繰り返し浮かぶ考えやイメージです。
  • 強迫行為は、不安を下げるために繰り返される行動や心の中の儀式です。
  • 本人が不合理性を自覚していても、行動をやめられないことがあります。
  • 生活や仕事への支障があるかも重要な判断材料です。
  • 強迫症は、社交不安症、全般不安症、限局性恐怖症との違いを整理して覚えます。

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