35AM67|第35回 臨床工学技士国家試験 過去問
酸素吸入に用いる機器について正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
公式正答は 3 です。正答内容は リザーバ付きマスクは簡易酸素マスクで酸素化が保てない場合に用いる。 です。
この問題のポイント
酸素投与器具は、得られる吸入酸素濃度(FiO₂)、その濃度を一定に制御できるか、加湿・エアロゾル目的かを分けます。簡易酸素マスクより高いFiO₂が必要なときは、呼気の再吸入を抑える弁とリザーバを備えたマスクを用います。
解説
選択肢1は誤りです。鼻カニューレでも酸素を投与でき、慢性高CO₂血症がある患者に必要以上のFiO₂を与えると、低酸素性肺血管収縮の解除による換気血流比の悪化やHaldane効果などでPaCO₂が上昇し、CO₂ナルコーシスの危険があります。器具の種類だけでリスクは否定できません。選択肢2は誤りです。簡易酸素マスクのFiO₂は酸素流量に加え、患者の一回換気量や吸気流量、マスクの適合に左右され、一定濃度を正確に供給する器具ではありません。選択肢3は正しいです。リザーバ付きマスクは吸気時にバッグ内の酸素を供給し、高濃度酸素を必要とする患者に用います。選択肢4は誤りです。ベンチュリーマスクはジェットで周囲空気を引き込み、指定された一定のFiO₂を供給する高流量システムで、主目的は加湿ではありません。選択肢5は誤りです。ネブライザ付き酸素吸入装置は加湿やエアロゾル投与に用い、肺水腫の病態を治療する陽圧換気や利尿薬の代わりにはなりません。
選択肢の確認
選択肢1:鼻カニューレでは CO₂ ナルコーシスを生じることはない。
正答ではありません。 慢性高CO₂血症の患者では、鼻カニューレからでも過剰な酸素投与によりPaCO₂が上昇し得るため、SpO₂と血液ガスを見ながら調整します。
選択肢2:簡易酸素マスクは一定の酸素濃度を供給する際に用いる。
正答ではありません。 簡易マスクは低流量システムで、患者の吸気需要と周囲空気の混入量によってFiO₂が変動するため、一定濃度の精密供給には向きません。
選択肢3:リザーバ付きマスクは簡易酸素マスクで酸素化が保てない場合に用いる。
正答です。 リザーババッグに酸素を貯留し、呼気の混入を弁で抑えることで簡易マスクより高いFiO₂を供給でき、高度の低酸素血症に用います。
選択肢4:ベンチュリーマスクは加湿が必要な場合に用いる。
正答ではありません。 ベンチュリーマスクの特徴は、酸素ジェットが一定量の周囲空気を混合して設定FiO₂を安定供給することで、加湿を主目的とする器具ではありません。
選択肢5:ネブライザ付き酸素吸入装置は肺水腫の治療に用いる。
正答ではありません。 ネブライザは水分や薬液をエアロゾル化する装置で、肺水腫に必要な酸素化・陽圧換気、循環負荷の軽減などの病態治療を担う装置ではありません。
覚えるポイント
- 鼻カニューレや簡易マスクは低流量システムで、患者の呼吸によりFiO₂が変動します。
- ベンチュリーマスクは一定FiO₂、リザーバ付きマスクは高FiO₂を供給する器具です。
- CO₂ナルコーシスは「鼻カニューレなら起こらない」ではなく、慢性高CO₂血症例への過剰酸素で注意します。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。