36PM70|第36回 臨床工学技士国家試験 過去問

過去問題(分野未登録)第36回

開心術における心筋保護について正しいのはどれか。 a.人工心肺の送血回路から側枝を出して心筋保護液を注入する。 b.細胞内液型心筋保護液中の Na+ 濃度は細胞外液型より低い。 c.逆行性心筋保護では右室の心筋保護液灌流が不十分となりやすい。 d.血液併用心筋保護液では晶質液性心筋保護液より注入温度を低くする。 e.心筋保護液の初回注入量の目安は 80 mL/kg である。

解答・解説を見る

正解: 3

正答

3

公式正答は 3 です。正答内容は b、c です。

この問題のポイント

心筋保護液の組成、注入回路、順行性・逆行性灌流の特性、温度と初回量を区別します。方式・製剤・施設手順で温度や投与量は変わるため、一つの値をすべての症例の固定基準として覚えないことが大切です。

解説

aは誤り。 心筋保護液は、通常は人工心肺の送血回路から直接注入するのではなく、専用の心筋保護回路・ポンプ等を介して注入します。

bは正しい。 細胞内液型心筋保護液は細胞内液に近い電解質組成を持ち、細胞外液型と比較してNa⁺濃度が低く設定されます。

cは正しい。 逆行性心筋保護は冠静脈洞から灌流するため、冠静脈の解剖的還流の関係から右室自由壁などの灌流が不十分になりやすいです。

dは誤り。 血液併用心筋保護は冷却、微温、加温など複数の方式があり、晶質液性心筋保護液より常に低い温度で注入するとは限りません。

eは誤り。 初回注入量は製剤・注入方式・症例で異なりますが、一般的には概ね10〜30 mL/kgの範囲が目安で、80 mL/kgは著しく過大です。20〜30 mL/kgなど一つの狭い範囲を普遍的基準とはしません。

各肢の最終判定は、a:誤り、b:正しい、c:正しい、d:誤り、e:誤りです。

選択肢の確認

選択肢1:a、b

正答ではありません。 bのNa⁺濃度は正しいですが、aの心筋保護液は通常、送血回路の側枝から直接ではなく専用回路・ポンプを介して注入します。

選択肢2:a、e

正答ではありません。 aは注入回路の説明が誤り、eの初回量80 mL/kgも一般的目安と比べて著しく過大で、どちらも正しい記述ではありません。

選択肢3:b、c

正答です。 細胞内液型は細胞外液型よりNa⁺濃度が低く、逆行性灌流では右室心筋の保護が不十分になりやすいため、b、cが正しいです。

選択肢4:c、d

正答ではありません。 cは正しいですが、dは誤りです。血液併用心筋保護には冷却・微温・加温法があり、晶質液性より常に低温とは限りません。

選択肢5:d、e

正答ではありません。 dは温度を一律に低いとする点、eは80 mL/kgとする点が誤りで、どちらも正しい組合せになりません。

覚えるポイント

  • 細胞内液型心筋保護液は細胞外液型よりNa⁺濃度が低い。
  • 逆行性冠灌流では右室自由壁などの灌流が不十分になりやすい。
  • 初回量は方式等で異なるが概ね10〜30 mL/kgが一般的目安で、80 mL/kgは過大。

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