38AM15|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
正しいのはどれか。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、血圧に影響する因子と、上肢・下肢の血圧差が問われています。
正常では、下腿や足関節部の収縮期血圧は、上腕の収縮期血圧よりもやや高く測定されることがあります。
これは、末梢へ向かうにつれて脈波が反射・増幅されるためです。
したがって、正しい記述は 5.正常では下腿の血圧は上腕よりも高い です。
解説
血圧は、循環血液量、心拍出量、末梢血管抵抗、血管の硬さ、自律神経、ホルモンなどによって変化します。
脱水では体内の水分量が減少し、循環血液量が低下します。そのため、一般には血圧は上昇ではなく、低下しやすくなります。
起立すると、重力により血液が下肢に移動し、静脈還流が一時的に低下します。その結果、血圧は一過性に低下しやすくなります。通常は圧受容体反射により交感神経が働き、血圧を保ちます。
ステロイドホルモン、特に鉱質コルチコイドや糖質コルチコイドは、ナトリウム・水分貯留や血管反応性の変化により、血圧を上昇させる方向に働くことがあります。
高齢者では動脈硬化により大動脈などの弾性が低下します。すると収縮期血圧が上がりやすく、拡張期血圧は下がりやすくなるため、脈圧は小さくなるのではなく、大きくなりやすいです。
正常では、下腿や足関節部の血圧は上腕よりもやや高いことがあります。足関節上腕血圧比、ABIでは、足関節収縮期血圧を上腕収縮期血圧で割って評価します。
ひっかけポイント
「下肢は心臓から遠いから血圧が低い」と考えやすいですが、正常では下腿・足関節部の収縮期血圧は上腕よりやや高くなることがあります。ABIの正常値が 1 前後からやや高めになることと結びつけて覚えます。
選択肢の確認
1.誤り。
脱水では循環血液量が減少します。静脈還流や心拍出量が低下しやすく、血圧は上昇ではなく低下しやすくなります。
2.誤り。
起立動作では、血液が下肢に貯留しやすくなり、静脈還流が一時的に減少します。そのため、血圧は上昇ではなく、一過性に低下しやすくなります。
3.誤り。
ステロイドホルモンは、ナトリウム・水分貯留などにより血圧を上昇させる方向に働くことがあります。血圧を低下させるという記述は不適切です。
4.誤り。
高齢者では動脈硬化により血管の弾性が低下し、収縮期血圧が上昇しやすくなります。そのため、脈圧は小さくなるのではなく、大きくなりやすいです。
5.正しい。
正常では、下腿や足関節部の収縮期血圧は上腕よりもやや高く測定されることがあります。したがって、この記述が正しいです。
覚えるポイント
- 脱水では、循環血液量が減少して血圧は低下しやすい。
- 起立時には、血液が下肢に移動して血圧が一過性に低下しやすい。
- ステロイドホルモンは血圧を上昇させる方向に働くことがある。
- 高齢者では動脈硬化により脈圧は大きくなりやすい。
- 正常では、下腿・足関節部の血圧は上腕よりやや高いことがある。