68AM058|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
子宮頸部擦過細胞診検査の Papanicolaou 染色標本を別に示す。 この細胞に関連の深い病原体はどれか。

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正解: 5
正答
5(ヒトパピローマウイルス)
この問題のポイント
Papanicolaou染色で核周囲明庭を示すコイロサイトを認識し、関連病原体へ結び付ける問題です。
解説
提示された子宮頸部擦過標本では、扁平上皮細胞の核の周囲が境界明瞭に白く抜け、その外側に厚い細胞質が残っています。核は正常の表層・中層扁平上皮細胞より腫大し、濃く染まって見えます。この「核周囲明庭と核異型」の組合せを示す細胞がコイロサイトです。コイロサイトーシスはヒトパピローマウイルス〈HPV〉が感染した扁平上皮に生じる細胞変化で、子宮頸部細胞診では低異型度扁平上皮内病変を考える手掛かりになります。画像だけからHPV型を決めることはできませんが、本問はこの特徴的な感染関連変化と病原体の対応を問うています。ほかの感染症では、病原体そのものや異なる細胞変化を探します。カンジダなら酵母様菌・仮性菌糸、ガードネレラ菌なら細菌が細胞表面を覆うclue cell、トリコモナスなら原虫、単純ヘルペスウイルスなら多核化や核の圧排・すりガラス状変化が手掛かりです。
選択肢の確認
1.誤り。カンジダ感染では、Papanicolaou染色標本中に仮性菌糸や出芽する酵母様菌を探します。提示細胞の核周囲明庭とは異なります。
2.誤り。ガードネレラ菌に関連するclue cellは、細かな球桿菌が扁平上皮細胞表面を密に覆い、細胞辺縁が不鮮明になる像です。
3.誤り。トリコモナス原虫は洋梨形ないし類円形の小型細胞としてみられ、偏在する核や炎症性背景が手掛かりになります。
4.誤り。単純ヘルペスウイルス感染では、多核化、核同士の圧排、クロマチンの辺縁化、すりガラス状核などが重要です。
5.正しい。画像で実際に確認できる核周囲明庭と核異型をもつコイロサイトは、HPV感染と深く関連します。
覚えるポイント
- HPV感染の細胞診所見はコイロサイトです。
- コイロサイトは境界明瞭な核周囲明庭と腫大・濃染核で見分けます。
- clue cellは細菌で辺縁不鮮明、ヘルペス感染細胞は多核化が手掛かりです。
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