69AM045|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
子宮頸部擦過細胞診の Papanicolaou 染色標本を別に示す。 Bethesda システムによる判定はどれか。

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正解: 3
正答
3(高異型度扁平上皮内病変〈HSIL〉)
この問題のポイント
Papanicolaou染色で、小型細胞の高い核・細胞質比と強い核異型から高異型度扁平上皮内病変を判定する問題です。
解説
実画像では、炎症細胞が散在する淡い背景の中央に、約10個の小型細胞からなる密な集塊が見えます。集塊を構成する細胞は青緑色の細胞質が乏しく、核が細胞の大部分を占めるため核・細胞質比〈N/C比〉が高い所見です。核は円形から卵円形で大小不同があり、濃染してクロマチンが粗く見えます。このような未熟な扁平上皮系細胞の集塊は、Bethesdaシステムの高異型度扁平上皮内病変〈high-grade squamous intraepithelial lesion:HSIL〉に合致します。低異型度扁平上皮内病変〈LSIL〉で期待する、成熟した表層・中層型細胞の明瞭な核周囲明庭は主所見ではありません。また、この視野では扁平上皮癌にみられる著しい細胞多形性、明瞭な角化、壊死性腫瘍背景は示されず、腺癌に特徴的な羽毛状配列や腺腔形成も見えません。画像に矢印、倍率、スケールはありません。
選択肢の確認
1.誤り。上皮内病変または悪性所見なし〈NILM〉なら反応性変化の範囲を超える高N/C比・核濃染の異型細胞集塊を認めません。
2.誤り。LSILは成熟した表層・中層型扁平上皮細胞に核腫大、二核、核周囲明庭を伴うコイロサイトなどを示すのが典型です。
3.正しい。小型未熟細胞が密に集まり、細胞質に乏しくN/C比が高く、核濃染とクロマチン増量を示すためHSILです。
4.誤り。扁平上皮癌ではHSILよりさらに強い多形性、粗大不均等クロマチン、角化異常、壊死や出血を伴う腫瘍性背景を考えます。
5.誤り。腺癌では高円柱状細胞の重積、核の偏在、羽毛状辺縁、ロゼット・腺腔形成、核小体など腺系の所見を評価します。
覚えるポイント
- HSILは小型未熟細胞、高N/C比、核濃染、粗いクロマチンが基本である。
- LSILは成熟細胞の核腫大とコイロサイトを手掛かりにする。
- 癌では強い多形性・角化・腫瘍性背景、腺癌では羽毛状配列や腺腔形成をみる。
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