68PM015|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
分子標的薬投与の決定に ERBB20HER22増幅の検索を行うのはどれか。
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正解: 1
正答
1(乳癌)
この問題のポイント
ERBB2遺伝子増幅によるHER2蛋白過剰発現を調べ、抗HER2分子標的薬の適応を決める代表的腫瘍を選ぶ問題です。
解説
ERBB2は細胞膜受容体型チロシンキナーゼであるhuman epidermal growth factor receptor 2〈HER2〉をコードする遺伝子です。乳癌の一部ではERBB2遺伝子が増幅し、細胞膜上にHER2蛋白が過剰発現して増殖シグナルが強くなります。この異常は腫瘍の性質を示すだけでなく、トラスツズマブやペルツズマブなど抗HER2薬が作用する標的です。そのため乳癌組織を免疫組織化学〈IHC〉で染色してHER2蛋白の膜発現を評価し、判定が境界域の場合などにはin situ hybridization〈ISH〉でERBB2遺伝子増幅を確認して治療適応を決めます。つまり「遺伝子増幅→蛋白過剰発現→増殖促進→標的薬の効果」という因果関係です。ほかの腫瘍でもHER2異常が治療対象となる場合はありますが、国家試験でこの対応を代表的に問う選択肢は乳癌です。
選択肢の確認
1.正しい。乳癌ではHER2蛋白発現とERBB2増幅を評価し、抗HER2分子標的薬の適応決定に用います。
2.誤り。卵巣癌ではBRCA1/2変異や相同組換え修復異常などが代表的な治療選択バイオマーカーで、本問の標準的対応ではありません。
3.誤り。子宮頸癌は高リスクヒトパピローマウイルス感染との関連が中心で、ERBB2増幅検索が代表的な薬剤選択検査ではありません。
4.誤り。子宮体癌ではミスマッチ修復機能、マイクロサテライト不安定性、POLEなどが分類・治療選択で重要です。
5.誤り。前立腺癌ではアンドロゲン受容体経路やBRCA1/2を含む相同組換え修復遺伝子異常などが治療選択に関係します。
覚えるポイント
- ERBB2は遺伝子名、HER2はその受容体蛋白名です。
- 乳癌ではIHCで蛋白発現、ISHで遺伝子増幅を評価します。
- HER2陽性なら抗HER2薬の治療標的になります。
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