69AM084|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
抗体を精製する方法でないのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4.塩化セシウム密度勾配遠心分離法
この問題のポイント
蛋白質である抗体を、溶解度・大きさ・電荷・特異的結合性で精製する方法と、核酸分離法を区別する問題です。
解説
抗体精製では、目的とする免疫グロブリンと他の蛋白質の物理化学的性質の差を段階的に利用します。塩析は高濃度塩によって蛋白質周囲の水和水を奪い、溶解度の差で沈殿させる方法で、硫酸アンモニウムによる免疫グロブリン分画が代表です。ゲル濾過クロマトグラフィ、別名サイズ排除クロマトグラフィは、多孔性ゲルへ入りにくい大分子ほど早く溶出する性質を使い、分子サイズで分離します。イオン交換クロマトグラフィは、設定したpHでの蛋白質の正味電荷と担体の反対電荷との結合強度を利用し、塩濃度やpHを変えて溶出します。アフィニティカラムクロマトグラフィは、IgGのFc領域へ結合するProtein A・Protein Gや、目的抗体が認識する抗原を担体へ固定し、高い選択性で抗体を捕捉します。一方、塩化セシウム密度勾配遠心分離法は、遠心中にできる密度勾配内で粒子が浮遊密度と等しい位置へ集まる原理で、DNAなど核酸の分離・精製に代表的に用いられます。通常の抗体精製法ではないため4が正答です。
選択肢の確認
1.塩析:正しい。硫酸アンモニウム濃度による蛋白質溶解度の差を利用し、免疫グロブリンを粗分画できます。
2.ゲル濾過:正しい。多孔性担体内への入りやすさの違いを利用し、抗体を分子サイズで分離します。
3.イオン交換クロマトグラフィ:正しい。抗体と他蛋白質の電荷差を利用して結合・溶出を分けます。
4.塩化セシウム密度勾配遠心分離法:誤り。DNAなどを浮遊密度で分離する代表法で、通常の抗体精製法ではありません。
5.アフィニティカラムクロマトグラフィ:正しい。Protein A/Gや特異抗原への結合を利用し、高純度に抗体を回収できます。
覚えるポイント
- 塩析は溶解度、ゲル濾過は分子サイズ、イオン交換は電荷を利用する。
- Protein A/Gアフィニティ法はIgGを高選択的に精製できる。
- 塩化セシウム密度勾配遠心はDNAなど核酸分離の代表法である。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。