69PM025|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問

心エコーの傍胸骨左室長軸像を別に示す。 最も考えられるのはどれか。

69PM025の問題画像
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正解: 3

正答

3.肥大型心筋症

この問題のポイント

傍胸骨左室長軸像で心室中隔と左室後壁の厚さ、左室内腔の大きさを比較して病型を見分ける問題です。

解説

実画像は心エコーの傍胸骨左室長軸像で、右側に深度5、10の目盛、下段に心電図が表示されています。画像上では心室中隔が左室後壁に比べて不釣合いに厚く、左室内腔が狭く見えます。矢印や部位ラベルはありませんが、この非対称性中隔肥厚が肥大型心筋症を考える中心所見です。肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy:HCM)はサルコメア蛋白遺伝子の異常を背景とすることが多く、左室壁が肥厚しても高血圧や弁膜症などの明らかな負荷だけでは説明できない病態です。肥厚した心筋は弛緩しにくいため拡張障害を生じ、症例によっては中隔肥厚と僧帽弁前尖の動きにより左室流出路が狭窄します。ただし、この静止画だけでは僧帽弁収縮期前方運動や流出路圧較差を直接確認できないため、それらはMモード法やDoppler法で追加評価します。拡張型心筋症ならむしろ左室内腔が拡大し、高血圧性心疾患や心アミロイドーシスでは一般によりびまん性・対称性の壁肥厚を考えます。

選択肢の確認

1.誤り。拡張型心筋症では左室内腔の拡大とびまん性収縮能低下が中心で、画像の狭い左室腔と著明な中隔肥厚とは対照的です。
2.誤り。拘束型心筋症は心室の硬さによる高度の拡張障害と心房拡大が中心で、非対称性中隔肥厚を代表所見とする病型ではありません。
3.正しい。左室後壁に比べて心室中隔が著明に厚く、左室内腔が狭いという実画像の形態は肥大型心筋症に合致します。
4.誤り。高血圧性心疾患では慢性的圧負荷により左室壁が一般に同心性、すなわち比較的対称性に肥厚し、本画像のような目立つ非対称性中隔肥厚とは異なります。
5.誤り。心アミロイドーシスではアミロイド沈着により心室壁がびまん性に厚く見え、拡張障害や両心房拡大を伴いますが、本画像では非対称性の中隔肥厚が優位です。

覚えるポイント

  • HCMの代表的形態は非対称性中隔肥厚と狭い左室腔である。
  • 拡張型心筋症は左室拡大、高血圧性心疾患は同心性肥大が基本である。
  • 流出路狭窄や僧帽弁収縮期前方運動は、静止画だけで断定せずDoppler法やMモード法で評価する。

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