69PM067|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
MCV が正常である患者の赤血球の大きさを測定し、健常人と比較した成績を別に示す。 考えられるのはどれか。

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正解: 5
正答
5.遺伝性球状赤血球症
この問題のポイント
MCVは体積、グラフの横軸は直径を示すため、赤血球が球状化したとき両者が同じ変化をしないことを理解します。
解説
グラフの横軸は赤血球直径〈µm〉、縦軸は頻度で、赤い破線が健常人、青い実線が患者です。健常人は約7.5 µmを中心とする一峰性ですが、患者では約6 µm付近に小さい直径の集団が加わり、分布が広く二峰性になっています。矢印はなく、凡例が線種を示しています。患者のMCV(mean corpuscular volume、平均赤血球容積)は正常でも、直径の小さい赤血球が存在する点が鍵です。遺伝性球状赤血球症では、スペクトリンやアンキリンなど赤血球膜骨格の異常により膜表面積が失われ、両凹円盤から球状になります。球は同じ体積でも投影直径が小さいため、MCVが保たれていても直径は小さくなります。MCHC上昇、浸透圧脆弱性亢進、脾臓での血管外溶血も関連所見です。
選択肢の確認
1.誤り。腎性貧血はエリスロポエチン不足による正球性正色素性貧血で、この小径赤血球集団を説明しません。
2.誤り。サラセミアはグロビン鎖合成低下による小球性貧血で、通常はMCV自体が低下します。
3.誤り。鉄欠乏性貧血も小球性低色素性となり、進行すればMCVが低下します。
4.誤り。再生不良性貧血は骨髄低形成による汎血球減少で、球状化による直径低下を特徴としません。
5.正しい。球状赤血球は体積が正常範囲でも投影直径が小さく、提示された分布と一致します。
覚えるポイント
- MCVは赤血球の体積、グラフの直径とは別の指標です。
- 球状赤血球は表面積が減り、同体積の円盤状赤血球より直径が小さくなります。
- 遺伝性球状赤血球症ではMCHC上昇と血管外溶血も重要です。
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