70PM024|第70回 臨床検査技師国家試験 過去問
62 歳女性。慢性肝疾患のため通院中である。意識障害が出現し記録した脳波 (別冊No. 5)を別に示す。 所見はどれか。

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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
肝性脳症の臨床背景と特徴的な三相波を結び付けます。
解説
慢性肝疾患患者に意識障害が出現し、脳波に前頭部優位の高振幅徐波が反復しています。主成分の前後に逆向きの小さな波を伴う三相波で、肝性脳症をはじめとする代謝性脳症でみられる所見です。
三相波は通常1.5〜2.5 Hz前後で、前頭部優位、左右同期性、前方から後方への時間差を示すことがあります。ただし肝性脳症だけに特異的ではなく、腎不全、薬物中毒など他の代謝性・中毒性脳症でも出現します。
脳波で見るポイント
臨床背景が肝疾患・意識障害で、前頭部優位の三相性徐波なら肝性脳症を考えます。
選択肢の確認
1.三相波
正しい。
三相波は大きな陽性成分の前後に陰性成分を伴う三相性波形で、代謝性脳症の所見として本例に合致します。
2.徐波群発
誤り。
徐波群発は非特異的な表現であり、本画像の規則的な三相性波形を最も適切に表しません。
3.棘徐波複合
誤り。
棘徐波複合はてんかん性放電で、棘波と徐波が組み合わさります。肝性脳症の典型ではありません。
4.周期性同期性放電
誤り。
周期性同期性放電はCreutzfeldt-Jakob病などでみられます。臨床背景と波形が異なります。
5.ヒプスアリスミア
誤り。
ヒプスアリスミアは乳児てんかん性スパズムでみられる無秩序な高振幅脳波です。62歳の本例には合いません。
覚えるポイント
- 三相波は代謝性脳症でみられます。
- 肝性脳症では前頭部優位の三相波が典型です。
- 周期性同期性放電はCJD、ヒプスアリスミアは乳児てんかん性スパズムです。