113A071|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

5歳の男児。齲蝕治療を希望して来院した。固いものを食べたがらないという。 検査の結果、すべての下顎乳臼歯を保存不可能と診断し、抜去することとした。初診時の口腔内写真(別冊No. 26A)とエックス線画像(別冊No. 26B)を別に示す。 抜去後に用いる装置で適切なのはどれか。1つ選べ。

113A071の問題画像
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正解: a

正答

a

この問題のポイント

5歳で下顎乳臼歯を左右とも全て失うため、広範囲の空隙維持に加えて咀嚼機能を補える装置を選びます。

解説

第一大臼歯がまだ十分に萌出していない時期に、両側の複数乳臼歯を失う症例です。単歯欠損用の固定式装置では支台・範囲が不十分なので、人工歯を備えた可撤保隙装置で歯列弓長を維持し、咀嚼と審美・発音を補います。成長や永久歯萌出に合わせて調整・再製作できる利点もあります。

画像の確認

実画像では、下顎の全乳臼歯に広範な齲蝕崩壊があり、左右にわたる連続的な抜歯後欠損が予想されます。パノラマ像では後継小臼歯歯胚と未萌出の第一大臼歯がみられ、固定式装置の支台条件が整う前の年齢です。

選択肢の確認

a.可撤保隙装置
正しい。両側多数歯欠損を一装置で補い、空隙維持と咀嚼機能回復を図れます。

b.クラウンループ
誤り。単独歯欠損など局所的な空隙を保つ固定式装置で、下顎全乳臼歯欠損には不十分です。

c.リンガルアーチ
誤り。通常は萌出した左右第一大臼歯を支台にし、人工歯による咀嚼面もありません。

d.ディスタルシュー
誤り。第二乳臼歯を第一大臼歯萌出前に失った単一部位で、萌出方向を誘導する装置です。

e.Nanceのホールディングアーチ
誤り。上顎に用いる固定式保隙・固定装置で、本例は下顎です。

覚えるポイント

両側多数歯欠損+第一大臼歯未萌出なら可撤式。単独欠損のクラウンループ、上顎のNance、局所誘導のディスタルシューと区別します。

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