113B068|第113回 歯科医師国家試験 過去問
3歳の男児。上顎両側乳前歯口蓋側面の着色を主訴として来院した。1か月前から冷水痛があるという。初診時の口腔内写真(別冊No. 20A)とエックス線画像(別冊No. 20B)を別に示す。 適切な対応はどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
口蓋側面に褐色の実質欠損があり、冷水痛もあるため、単なる着色や予防対象ではなく活動性の齲蝕です。齲蝕を除去してコンポジットレジン修復を行います。
解説
乳前歯口蓋側の陥凹部はプラークが停滞しやすく、齲蝕が発生します。冷水痛は象牙質まで病変が進み、外来刺激が歯髄へ伝わっている可能性を示します。画像で根尖部に異常がなく、持続性自発痛など不可逆性歯髄炎を示す情報もないため、感染歯質を必要最小限に除去し、接着性・審美性に優れるコンポジットレジンで形態を回復します。
フッ化物塗布や予防塡塞は非実質欠損性の初期病変・健全裂溝の予防には有効ですが、すでに窩洞がある病変をそれだけで治せません。
画像の確認
実画像Aでは、上顎両側乳中切歯の口蓋側に褐色の小窩状実質欠損が左右性にみられます。実画像Bでは根尖部や歯根膜腔に明らかな病変はなく、臨床症状と合わせて歯冠部齲蝕に対する保存修復が適切です。
選択肢の確認
a.経過観察
誤り。冷水痛を伴う実質欠損があり、進行防止と形態回復が必要です。
b.予防塡塞
誤り。健全または初期の小窩裂溝を封鎖する予防処置で、象牙質齲蝕の修復には不十分です。
c.フッ化物歯面塗布
誤り。初期脱灰の再石灰化には有効ですが、すでに窩洞を形成した病変には修復が必要です。
d.コンポジットレジン修復
正しい。齲蝕を除去し、乳前歯口蓋側の小窩洞を接着性材料で修復します。
e.デンタルフロスによる清掃指導
誤り。隣接面清掃には有用ですが、口蓋側に形成された窩洞を治療できません。
覚えるポイント
- 実質欠損+冷水痛=予防だけでなく修復を考えます。
- 予防塡塞は健全・初期の小窩裂溝が対象です。
- 乳歯でも歯髄・根尖所見を確認し、保存可能なら歯質を温存します。
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