113B079|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

11歳の男児。上顎右側第一小臼歯の変色を主訴として来院した。初診時の口腔内写真(別冊No. 29A)とエックス線画像(別冊No. 29B)を別に示す。 原因として考えられるのはどれか。1つ選べ。

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正解: c

正答

c

この問題のポイント

一本の永久歯だけに限局した変色・エナメル質形成不全は、その歯胚形成中に直上の乳歯根尖病変から炎症が波及したTurner歯を考えます。

解説

永久小臼歯の歯冠形成期に、先行乳臼歯の深在性齲蝕・歯髄壊死から根尖性炎症が生じると、直下の後継永久歯胚のエナメル芽細胞が障害されます。その結果、萌出した永久歯に限局性のエナメル質減形成、白斑・黄褐色変色、陥凹を生じます。これをTurner歯と呼びます。

全身的・遺伝的原因なら、同じ形成時期の複数歯へ左右対称性に異常が出やすい点が鑑別になります。乳歯感染を早期に治療することが後継永久歯保護につながります。

画像の確認

実画像Aでは、上顎右側第一小臼歯の頬側面に限局した黄褐色の陥凹性エナメル質欠損がみられ、隣接歯は同様の形成異常を示していません。実画像Bでも異常は同歯の歯冠部に限局し、単一の後継永久歯胚が局所的に障害された所見です。

選択肢の確認

a.茶の常飲
誤り。外因性色素は複数歯の表面へ付着しやすく、一本だけの陥凹性形成不全を起こしません。

b.先天性梅毒
誤り。Hutchinson歯や桑実状臼歯など、特徴的な複数歯の形態異常を生じます。

c.先行乳歯の根尖病変
正しい。乳歯根尖の炎症が後継永久歯胚を障害し、限局性形成不全を起こします。

d.フッ化物の過剰摂取
誤り。歯の形成期に全身的に作用し、同時期に形成された複数歯へ左右対称性の斑状変化を起こします。

e.エナメル質形成不全症
誤り。遺伝性疾患で、原則として乳歯・永久歯の多数歯に広く異常が現れます。

覚えるポイント

  • 乳歯根尖病変→後継永久歯の局所的形成不全=Turner歯です。
  • 一本だけなら局所因子、多数歯なら全身・遺伝因子を考えます。
  • 永久歯胚の位置と乳歯根尖病変の位置関係を画像で確認します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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