113D021|第113回 歯科医師国家試験 過去問

基礎歯科医学歯科理工学

硬化した石膏の走査型電子顕微鏡像(別冊No. 3)を別に示す。 この石膏の線硬化膨張率に最も近いのはどれか。1つ選べ。

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正解: d

正答

d

この問題のポイント

硬化した普通石膏では二水石膏結晶が成長して互いに押し合い、選択肢中では約**0.3%**の線硬化膨張を示します。

解説

石膏は、半水石膏へ水を加えると溶解し、溶解度の低い二水石膏として析出することで硬化します。析出した二水石膏結晶は針状・柱状に成長し、互いに絡み合って硬化体を形成します。結晶同士が接触した後も成長を続けて外向きに押し合うため、見かけの寸法はわずかに増加します。これが硬化膨張です。

歯科用普通石膏の線硬化膨張はおよそ0.2〜0.3%程度であり、提示された値では0.3%が最も近くなります。硬質石膏や超硬質石膏は粒子形態や混水比が異なり、一般に普通石膏より小さい硬化膨張を示します。また、硬化中に水と接触させる吸水硬化膨張は、通常の空気中での硬化膨張より大きくなります。

画像の確認

実画像では、10µmのスケールに対して長さ数〜十数µmほどの細長い針状・柱状結晶が、さまざまな方向へ成長して密に絡み合っています。結晶同士が交差しながら接触して硬化体を作る像であり、結晶成長に伴う押し合いが寸法膨張を生じることを視覚的に確認できます。

選択肢の確認

a.0.01%
誤り。
普通石膏の代表的な線硬化膨張率より著しく小さい値です。

b.0.03%
誤り。
普通石膏の硬化膨張としては小さすぎます。

c.0.1%
誤り。
硬質石膏・超硬質石膏でみられる範囲に近い値ですが、提示された石膏の代表値ではありません。

d.0.3%
正しい。
普通石膏の線硬化膨張率に最も近い値です。

e.1.0%
誤り。
通常の線硬化膨張としては大きすぎる値です。

覚えるポイント

  • 石膏の硬化は半水石膏の溶解→二水石膏の析出・結晶成長です。
  • 結晶同士の押し合いにより硬化収縮ではなく硬化膨張が起こります。
  • 普通石膏の線硬化膨張は約0.2〜0.3%と整理します。

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