113D042|第113回 歯科医師国家試験 過去問
接着性モノマーの構造式を示す。 歯質との接着部位はどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
構造式は10-MDPです。歯質のカルシウムと相互作用して接着する親水性機能基は末端のリン酸基で、図のオに当たります。
解説
10-MDP〈10-methacryloyloxydecyl dihydrogen phosphate〉は、接着性レジンセメントや歯科用接着材に配合される機能性モノマーです。一端に重合性のメタクリロイル基、中央に疎水性の長いデシル鎖、他端に親水性のリン酸基をもちます。この両親媒性構造が、レジン相と歯質を橋渡しします。
リン酸基はエナメル質・象牙質のハイドロキシアパタイトに含まれるカルシウムイオンとイオン結合性の相互作用を形成し、安定なMDP-Ca塩をつくります。一方、メタクリロイル基の炭素間二重結合はレジンモノマーと共重合します。したがって「歯質との接着部位」は右端のリン酸基を示すオです。
画像の確認
実画像では、左端に炭素間二重結合を含むメタクリロイル基、中央に(CH₂)₁₀の長い炭化水素鎖、右端にリン酸基が配置されています。オの矢印はP=Oと2つのP-OHを含むリン酸基全体を指しており、歯質中カルシウムと反応する部位です。
選択肢の確認
a.ア
誤り。
重合に関与する炭素間二重結合側であり、歯質カルシウムとの接着部位ではありません。
b.イ
誤り。
メタクリロイル基のメチル基で、接着性を担う酸性機能基ではありません。
c.ウ
誤り。
エステル結合部であり、歯質との主要な化学結合部位ではありません。
d.エ
誤り。
デシル鎖は分子の疎水性と耐水性に関与しますが、歯質カルシウムへ直接接着する部位ではありません。
e.オ
正しい。
リン酸基がハイドロキシアパタイトのカルシウムと相互作用し、歯質接着を担います。
覚えるポイント
- 10-MDP:メタクリロイル基-デシル鎖-リン酸基です。
- リン酸基は歯質・酸化物系セラミックス、二重結合側はレジンの重合に関与します。
- 分子の両端が異なる材料を結び、中央鎖が耐水性に寄与します。
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