114A022|第114回 歯科医師国家試験 過去問
6歳の男児。定期検診のため来院した。1年前に下顎左側第二乳臼歯を齲蝕のため抜去し、保隙装置を装着した。診察の結果、クラウンループに変更することとした。保隙装置を変更する前の口腔内写真(別冊No. 2)を別に示す。 保隙装置を変更する理由はどれか。2つ選べ。

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正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
第一大臼歯萌出前の保隙装置から、萌出後にクラウンループへ変更する目的を考えます。
解説
第二乳臼歯を第一大臼歯萌出前に失うと、第一大臼歯の萌出方向を保つため、歯肉内へ延びるガイド部をもつディスタルシュー型保隙装置を用いることがあります。第一大臼歯が萌出した後も歯肉内の延長部を残すと、その近心部にプラークが停滞しやすくなります。また、萌出後は歯冠へ接触するループで近心移動だけでなく捻転を抑える設計へ移行できます。
クラウンループは欠損部の咀嚼面を回復する装置ではなく、対合歯へ接触する人工歯もありません。装置の形態と、変更時の歯の萌出段階を結び付けます。
画像の確認
実画像では、欠損部近心の乳歯に金属冠が装着され、遠心側の金属延長部に接して下顎左側第一大臼歯が萌出しています。第一大臼歯近心歯肉に金属部が近接しており、萌出後の捻転防止と清掃性改善のため装置を変更する状況です。
選択肢の確認
a.下顎左側第一大臼歯の遠心移動
誤り。
保隙で問題となるのは第一大臼歯の近心移動であり、遠心移動を目的とはしません。
b.咀嚼機能の回復
誤り。
クラウンループには欠損部を咬合させる人工歯がなく、咀嚼機能回復が主目的ではありません。
c.下顎左側第一大臼歯の捻転の防止
正しい。
萌出した第一大臼歯へループを適切に接触させ、近心移動と捻転を防ぎます。
d.対合歯の挺出の防止
誤り。
欠損部に咬合面を設けないため、対合歯の挺出防止を目的とする装置ではありません。
e.下顎左側第一大臼歯近心部歯肉の清掃性の向上
正しい。
歯肉内へ延びる金属部を除き、第一大臼歯近心部の清掃性を改善できます。
覚えるポイント
- 第一大臼歯萌出前はディスタルシュー型を用いることがあります。
- 萌出後は捻転防止と清掃性向上を考えます。
- クラウンループは咀嚼面を回復する装置ではありません。
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