114A031|第114回 歯科医師国家試験 過去問

基礎歯科医学歯科理工学

棒状インレーワックスを温水中で円盤状金型の周囲に沿わせて変形させた写真(別冊No. 11A)とただちに取り出し室温で放置した写真(別冊No. 11B)を別に示す。 矢印で示す形状変化の機序はどれか。1つ選べ。

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正解: b

正答

b

この問題のポイント

インレーワックスは操作時に内部応力を生じやすく、変形後に放置するとその応力が解放されて形が変わります。

解説

ワックスを軟化させて曲げたり圧接したりすると、冷却の不均一や分子配列の変化によって内部に残留応力が生じます。金型から取り出した後、この応力が時間の経過とともに解放されると、ワックスパターンは元の形に近づく方向へ変形します。これが応力解放であり、ワックスパターンを放置せず早く埋没する理由の一つです。

弾性回復は除荷直後に起こる可逆的な回復を指すのに対し、本問は室温で放置した後に現れた経時的変化を問うています。

画像の確認

実画像では、棒状インレーワックスを円盤状金型に沿わせた直後のAと、金型から外して室温に置いた後のBが対比されています。Bでは矢印部に相当する両端が外側へ開いており、成形時に蓄えられた内部応力による経時的な変形が確認できます。

選択肢の確認

a.フロー
誤り。一定荷重下で時間とともに変形する性質であり、除荷後の本現象の中心ではありません。

b.応力解放
正しい。成形時に生じた残留応力が解放され、ワックスが変形しています。

c.応力緩和
誤り。一定ひずみ下で応力が時間とともに減少する現象です。

d.クリープ
誤り。一定応力下でひずみが時間とともに増加する現象です。

e.弾性回復
誤り。本問のような放置後の変形は、残留応力の解放として捉えます。

覚えるポイント

  • インレーワックスは残留応力による経時的変形を起こします。
  • ワックスパターンは完成後、できるだけ速やかに埋没します。
  • 応力緩和は「一定ひずみ」、クリープは「一定応力」で区別します。

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