114A069|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

6歳の男児。最近萌出してきた下顎右側中切歯の色調異常を主訴として来院した。自覚症状はないという。初診時の口腔内写真(別冊No. 27)を別に示す。 まず行う処置はどれか。1つ選べ。

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正解: b

正答

b

この問題のポイント

萌出直後の低石灰化・低形成エナメル質は齲蝕感受性が高いため、まずフッ化物で歯質を保護します。

解説

萌出時からみられる限局性の色調異常はエナメル質の形成・石灰化異常を考えます。低石灰化部は多孔性で酸に弱く、萌出後崩壊や齲蝕の危険があるため、まずフッ化ナトリウムを局所塗布して再石灰化と耐酸性向上を図り、清掃指導と定期的観察を行います。その後、表面崩壊、知覚過敏、審美的問題の程度に応じてシーラントや接着修復を検討します。

フッ化ジアンミン銀は黒変を伴い、窩洞のない前歯病変の第一選択ではありません。シュウ酸カリウムは象牙質知覚過敏に用います。

画像の確認

実画像では、萌出途中の下顎右側中切歯の唇面中央に、境界の比較的明瞭な黄褐色のエナメル質変色がみられます。表面に大きな実質欠損や窩洞は認めず、自覚症状もないため、直ちに切削修復する段階ではありません。

選択肢の確認

a.シュウ酸カリウム塗布
誤り。象牙細管を封鎖する知覚過敏処置で、本例は無症状です。

b.フッ化ナトリウム塗布
正しい。萌出直後の脆弱なエナメル質を強化し、齲蝕を予防します。

c.コンポジットレジン修復
誤り。明らかな実質欠損がなく、まず非切削的対応を行います。

d.フッ化ジアンミン銀塗布
誤り。黒変を伴うため、前歯の色調異常への初期対応には適しません。

e.グラスアイオノマーセメント修復
誤り。窩洞や表面崩壊を認めない段階で修復は不要です。

覚えるポイント

  • 萌出直後の低石灰化歯はフッ化ナトリウム塗布で保護します。
  • 実質欠損がなければ、まず非切削的管理と経過観察です。
  • 崩壊や知覚過敏が生じた場合に接着修復を検討します。

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