114B033|第114回 歯科医師国家試験 過去問
8歳の男児。下顎左側第一小臼歯の冷水痛を主訴として来院した。1か月前から自覚していたが、そのままにしていたという。自発痛と打診痛はない。初診時の口腔内写真(別冊No. 8A)とエックス線画像(別冊No. 8B)を別に示す。 適切な対応はどれか。1つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
冷水痛はあるものの自発痛・打診痛がなく、う蝕は限局しています。歯髄生活反応を保ち、露髄のない可逆性歯髄炎と判断してコンポジットレジン修復を行います。
解説
8歳の第一小臼歯は萌出直後で、根形成が完成していない可能性があります。冷刺激で痛む一方、自発痛がなく根尖部歯周組織の症状もないことから、感染歯質を除去して窩洞を接着修復し、生活歯髄と今後の根形成を守るのが基本です。
アペキソゲネーシスは、根未完成生活歯で露髄または歯冠部歯髄の不可逆的障害があり、健全な根部歯髄を保存する処置です。アペキシフィケーションは根未完成失活歯の根尖部に硬組織性バリアを作る処置です。本例には露髄・失活の所見がありません。
画像の確認
実画像では、下顎左側第一小臼歯の咬合面小窩裂溝に褐色のう蝕病変がみられます。エックス線画像では同歯は根形成途中ですが、根尖部の明らかな透過像や歯周組織病変はなく、生活歯髄を保存した修復処置に適した所見です。
選択肢の確認
a.経過観察
誤り。1か月続く冷水痛と実質欠損を伴うう蝕があり、進行を防ぐため修復処置が必要です。
b.コンポジットレジン修復
正しい。感染歯質を除去して接着修復し、生活歯髄と根の継続的発育を保ちます。
c.アペキソゲネーシス
誤り。根未完成生活歯の歯髄処置ですが、本例には露髄や歯冠部歯髄切断を必要とする所見がありません。
d.アペキシフィケーション
誤り。根未完成失活歯に行う処置で、本例は生活歯髄を示す症状です。
e.抜歯
誤り。保存可能な萌出直後の永久歯であり、抜歯の適応ではありません。
覚えるポイント
- 冷水痛のみで自発痛・打診痛なしなら可逆性歯髄炎を考えます。
- 根未完成生活歯では歯髄保存が根の継続発育に重要です。
- アペキソゲネーシスは生活歯、アペキシフィケーションは失活歯です。
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