114B039|第114回 歯科医師国家試験 過去問
11歳の男児。歯の動揺を主訴として来院した。2年前から気付いていたが、そのままにしていたところ、1か月前から大きくなってきたという。全顎的に動揺度は2〜3度であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 10A)、足蹠の写真(別冊No. 10B)及びエックス線画像(別冊No. 10C)を別に示す。 疑われるのはどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
小児の急速な重度歯周炎に手掌・足蹠の角化症を伴う組合せはPapillon-Lefèvre症候群に特徴的です。乳歯列と永久歯列の双方で歯周組織破壊が進みます。
解説
Papillon-Lefèvre症候群は常染色体潜性遺伝のまれな疾患で、カテプシンCの機能異常と関連します。幼児期から手掌・足蹠の過角化を示し、歯の萌出後に重度の歯周炎が進行します。深い歯周ポケット、歯槽骨の高度吸収、歯の動揺と早期脱落を生じ、永久歯でも同様の経過をとり得ます。
若年者で全顎的に動揺度2〜3度という所見は、通常のプラーク量だけでは説明しにくい重症度です。皮膚所見を同時に確認することで全身性疾患へ結び付けます。
画像の確認
実画像では、11歳にもかかわらず多数歯の歯肉に発赤・腫脹があり、歯間離開と歯列不整を伴っています。足蹠には限局した著明な角化・鱗屑があり、パノラマエックス線画像では全顎的な歯槽骨吸収がみられるため、Papillon-Lefèvre症候群の組合せに合致します。
選択肢の確認
a.Down症候群
誤り。歯周炎の早期進行を伴うことはありますが、足蹠の特徴的な過角化との組合せではありません。
b.好中球減少症
誤り。重度歯周炎や反復感染を生じ得ますが、手掌・足蹠角化症は典型所見ではありません。
c.骨形成不全症
誤り。骨脆弱性、易骨折性、青色強膜などを特徴とし、足蹠角化を伴う急速進行性歯周炎ではありません。
d.低フォスファターゼ症
誤り。セメント質形成不全などにより乳歯の早期脱落を生じますが、足蹠の過角化を特徴としません。
e.Papillon-Lefèvre症候群
正しい。手掌・足蹠角化症と小児期からの重度歯周炎、歯の早期脱落が特徴です。
覚えるポイント
- Papillon-Lefèvre症候群は手掌・足蹠角化症と重度歯周炎を伴います。
- 乳歯列・永久歯列の双方で早期に歯周組織が破壊されます。
- 低フォスファターゼ症はセメント質形成不全と乳歯早期脱落で鑑別します。
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