114B052|第114回 歯科医師国家試験 過去問
アクリル系機能印象材について正しいのはどれか。2つ選べ。
解答・解説を見る
正解: b・d
正答
b、d
この問題のポイント
アクリル系機能印象材〈ティッシュコンディショナー〉は、粉末のアクリル系ポリマーと、可塑剤・アルコールを含む液を混和してゲル化します。硬化は重合反応ではなく、アルコールの揮発などによる物性変化です。
解説
アクリル系機能印象材の粉末は、ポリエチルメタクリレートなどの既製ポリマーを主成分とします。液には芳香族エステル系可塑剤とエチルアルコールなどが含まれます。粉末と液を混ぜると、ポリマー粒子へ液成分が浸透して膨潤・溶解し、流動性をもつゲルになります。
口腔内では粘膜の機能運動を受けて形態が整い、義歯床下粘膜の調整や機能印象に利用されます。時間の経過とともにアルコールが揮発し、可塑剤も溶出するため、材料は弾性と流動性を失って硬くなります。モノマーのラジカル重合で硬化する常温重合レジンとは区別します。
選択肢の確認
a.液に重合開始剤を含有する。
誤り。重合によって硬化する材料ではなく、液の主体は可塑剤とアルコールです。
b.アルコールの揮発により硬化する。
正しい。経時的なアルコールの揮発などにより流動性が低下し、硬くなります。
c.粉末に芳香族エステルを含有する。
誤り。芳香族エステル系可塑剤は主に液側に含まれます。
d.粉末と液との混和によりゲル化する。
正しい。ポリマー粒子が液を取り込んで膨潤し、ゲルを形成します。
e.ラジカル重合により硬化が促進する。
誤り。新たなラジカル重合ではなく、溶媒の揮発・可塑剤の溶出によって硬化します。
覚えるポイント
- 粉末はアクリル系既製ポリマー、液は可塑剤とアルコールです。
- 混和直後はゲル化し、機能運動に追従します。
- 経時的硬化の主因はアルコールの揮発と可塑剤の溶出です。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。