114C063|第114回 歯科医師国家試験 過去問
次の文により63、64の問いに答えよ。 4歳の女児。下顎右側第一乳臼歯の自発痛を主訴として来院した。冷温水痛と打診痛を認める。初診時の口腔内写真(別冊No. 26A)とエックス線画像(別冊No. 26B)を別に示す。 適切な処置はどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
乳歯の深在性う蝕で自発痛、冷温水痛、打診痛を認める場合、可逆性歯髄炎を超えて歯冠・根部歯髄に炎症が及ぶ不可逆性歯髄炎を考えます。生活反応がある段階では、感染・炎症歯髄を根管内から除去する抜髄を行います。
解説
間接覆髄は露髄していない可逆性歯髄炎、直接覆髄は偶発的な小さな露髄で汚染が少ない場合、生活歯髄切断は炎症が歯冠部歯髄に限局すると判断できる場合が適応です。本例は自発痛と温度刺激痛に加えて打診痛があり、炎症が限局的とは考えにくいため抜髄を選びます。感染根管治療は歯髄壊死後の感染根管を対象とし、生活歯髄を除去する抜髄と区別します。
画像の確認
実画像では、下顎右側第一乳臼歯の咬合面に大きく開放した褐色のう蝕窩洞があり、周囲歯質の崩壊も確認できます。エックス線画像では同歯のう蝕性透過像が歯髄腔近くまで達しており、自発痛・冷温水痛・打診痛という臨床症状と合わせて歯髄炎の進展が示されます。
選択肢の確認
a.間接覆髄
誤り。歯髄症状が軽く、可逆性歯髄炎と判断できる深在性う蝕で歯髄を保存する処置です。
b.直接覆髄
誤り。自発痛を伴う広範なう蝕性病変では、露髄部だけを被覆して歯髄を保存する適応ではありません。
c.生活歯髄切断
誤り。炎症が歯冠部に限局する所見ではなく、根部歯髄まで処置する必要があります。
d.抜髄
正しい。生活歯の炎症歯髄を歯冠部・根管内から除去し、乳歯根管を処置します。
e.感染根管治療
誤り。歯髄壊死・感染根管に対する名称で、本例は冷温刺激への生活反応を示しています。
覚えるポイント
- 自発痛と持続する温度刺激痛は、不可逆性歯髄炎を疑う所見です。
- 生活歯の歯髄除去は抜髄、壊死歯髄を伴う感染根管への処置は感染根管治療です。
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