114D036|第114回 歯科医師国家試験 過去問
8歳の男児。片方の前歯が生えてこないことを主訴として来院した。診察の結果、上顎左側乳中切歯の抜歯後に経過観察をしたが、上顎左側中切歯は萌出しなかった。初診時の口腔内写真(別冊No. 8A)、エックス線画像(別冊No. 8B)及び上顎左側乳中切歯の抜歯後のエックス線画像(別冊No. 8C)を別に示す。 次に行うのはどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
乳中切歯を抜去しても永久中切歯が萌出せず、正中部に過剰歯が残って萌出路を妨げているため、まず正中埋伏過剰歯を抜去します。
解説
上顎正中過剰歯は、上顎中切歯の萌出遅延・位置異常・正中離開などの原因になります。乳歯抜去後も後継永久歯が萌出せず、画像で永久中切歯の歯冠方向に埋伏過剰歯が確認される場合は、機械的障害を除去することが優先です。過剰歯の位置と方向、隣在永久歯の歯根形成、鼻腔底との関係を画像で把握して抜去します。
障害除去後、永久中切歯に萌出力がありスペースが確保されていれば自然萌出を待ちます。一定期間経過しても萌出しない場合に開窓牽引を検討します。原因を残したまま直ちに中切歯を牽引したり、側切歯を牽引したりするのは順序が不適切です。
画像の確認
実画像では、Aで上顎左側中切歯部が欠損し、Bでは混合歯列期の正中部に永久中切歯とは別の埋伏歯様不透過像が確認できます。乳中切歯抜去後のCでも、左側中切歯の萌出方向に正中過剰歯が介在しており、物理的障害が残っています。
選択肢の確認
a.上唇小帯の切除
誤り。
正中離開の原因にはなりますが、本例の萌出障害は画像上の埋伏過剰歯です。
b.上顎左側中切歯の開窓牽引
誤り。
まず萌出路を塞ぐ過剰歯を除去し、その後の自然萌出を評価します。
c.上顎左側側切歯の開窓牽引
誤り。
主訴と萌出遅延の対象は中切歯で、側切歯を牽引する適応ではありません。
d.上顎左側中切歯の近心移動
誤り。
中切歯は未萌出であり、移動前に萌出障害を除去する必要があります。
e.上顎正中埋伏過剰歯の抜去
正しい。
永久中切歯の萌出路を妨げる原因を除去する第一段階の処置です。
覚えるポイント
- 上顎正中過剰歯は中切歯の萌出遅延の代表原因です。
- まず障害を除去し、自然萌出の可能性を評価します。
- 開窓牽引は障害除去後も萌出しない場合に検討します。
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