114D061|第114回 歯科医師国家試験 過去問
4歳の男児。下顎乳前歯部の自発痛と咬合痛を主訴として来院した。昨晩に転倒し、机に同部を強打して自発痛と咬合痛が生じてきたという。初診時の口腔内写真(別冊No. 19A)とエックス線画像(別冊No. 19B)を別に示す。 下顎乳前歯部の[BA|AB]に対して行うべき処置はどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
エックス線像で歯根破折を認める3本の乳前歯は抜歯し、破折を認めない左側乳側切歯は歯髄処置をして保存します。
解説
乳歯外傷では、歯の動揺・転位、咬合干渉、歯冠・歯根破折、歯髄症状、後継永久歯胚との位置関係を評価します。本例は強打後に自発痛と咬合痛を生じ、エックス線像で下顎の右側乳側切歯・右側乳中切歯・左側乳中切歯に歯根破折が確認されます。複数歯で破折片の安定した保存が難しく、後継永久歯胚への感染・処置侵襲も考慮して抜歯します。
左側乳側切歯は明らかな歯根破折を認めず、残存期間と歯根形態から保存可能です。一方、自発痛を伴う歯髄障害への対応が必要なため抜髄を行います。所見の異なる4歯へ一律に固定や抜歯を行うのではなく、歯ごとに保存可能性を判定します。
画像の確認
実画像では、Aで下顎乳前歯4本の歯冠が残存し、明らかな歯冠破折や大きな転位はみられません。Bでは下顎右側乳側切歯から左側乳中切歯までの3歯根に横断・斜走する透過線がみられる一方、左側乳側切歯の歯根には同様の破折線が明瞭ではありません。
選択肢の確認
a.下顎[BA|AB]の固定
誤り。
破折状態と保存可能性が歯ごとに異なり、4歯すべてを固定する適応ではありません。
b.下顎[BA|A]の固定、下顎左側乳側切歯の抜髄
誤り。
3歯は歯根破折の状態から保存困難で、固定より抜歯が適切です。
c.下顎[BA|A]の抜歯、下顎左側乳側切歯の抜髄
正しい。
歯根破折を認める3歯を抜歯し、保存可能な左側乳側切歯には歯髄処置を行います。
d.下顎両側乳中切歯の抜歯、下顎両側乳側切歯の抜髄
誤り。
右側乳側切歯にも歯根破折があり、抜髄による保存は適しません。
e.下顎[BA|AB]の抜歯
誤り。
左側乳側切歯は保存可能であり、4歯すべてを抜歯する必要はありません。
覚えるポイント
- 乳歯外傷は各歯の破折・転位・保存可能性を個別に評価します。
- 保存困難な歯根破折乳歯は永久歯胚への影響も考えて抜歯します。
- 明らかな破折がなく保存できる歯には必要な歯髄処置を行います。
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