114D080|第114回 歯科医師国家試験 過去問
4歳の男児。下顎左側乳臼歯部の違和感を主訴として来院した。数か月前から自覚していたが、そのままにしていたという。既往歴としてFallot四徴症がある。下顎左側第一・第二乳臼歯に自発痛はない。動揺度は、下顎左側第一乳臼歯が1度、第二乳臼歯が0度である。初診時の口腔内写真(別冊No. 28A)とエックス線画像(別冊No. 28B)を別に示す。 下顎左側第一乳臼歯と第二乳臼歯の治療計画の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
感染根管病変を伴う第一乳臼歯は抜歯し、保存可能な第二乳臼歯を修復してバンドループの支台歯とします。
解説
下顎左側第一乳臼歯は根分岐部病変と動揺を認め、後継永久歯胚への感染波及も考慮すると保存予後が不良で抜歯します。第二乳臼歯は咬合面齲蝕を認めますが、根分岐部病変や動揺がなく、歯髄処置を要する所見ではないためコンポジットレジンで修復できます。第一乳臼歯の早期喪失後は、第二乳臼歯にバンドを装着し、犬歯側へループを延ばすバンドループ保隙装置で後方歯の近心移動を防ぎます。
Fallot四徴症では感染性心内膜炎リスクにも配慮し、活動性感染を残さず、必要な周術期管理を行います。
画像の確認
実画像では、下顎左側第一・第二乳臼歯の咬合面に齲蝕がみられます。エックス線画像では第一乳臼歯の根分岐部に明瞭な透過像がある一方、第二乳臼歯の根分岐部と歯根周囲には同様の病変を認めず、後継永久歯胚も確認できます。
選択肢の確認
a.第一乳臼歯:感染根管処置 ― 第二乳臼歯:コンポジットレジン修復
誤り。
第一乳臼歯は根分岐部病変と動揺があり、保存より抜歯が適切です。
b.第一乳臼歯:感染根管処置 ― 第二乳臼歯:抜髄
誤り。
第一乳臼歯の保存適応が乏しく、第二乳臼歯に抜髄を要する所見もありません。
c.第一乳臼歯:抜歯 ― 第二乳臼歯:コンポジットレジン修復後にバンドループ装着
正しい。
感染歯を抜去し、保存可能な第二乳臼歯を修復して保隙装置の支台とします。
d.第一乳臼歯:抜歯 ― 第二乳臼歯:抜髄後にクラウンループ装着
誤り。
第二乳臼歯に抜髄と全部被覆冠を必要とする所見ではありません。
e.第一乳臼歯:抜歯 ― 第二乳臼歯:抜歯
誤り。
第二乳臼歯は保存可能で、不要な抜歯は避けます。
覚えるポイント
- 第一乳臼歯は抜歯、第二乳臼歯はCR修復後にバンドループです。
- 乳臼歯根分岐部透過像は歯髄感染の重要所見です。
- 早期喪失後は永久歯萌出までの保隙を考えます。
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