115B029|第115回 歯科医師国家試験 過去問
両側性唇顎口蓋裂の女児の顔貌写真 (別冊No. 8 )を別に示す。生下時から下唇に 矢印で示す異常がみられるという。 考えられるのはどれか。 1つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
両側性唇顎口蓋裂に加えて、生下時から下唇に小さな陥凹や瘻孔を認める場合は、下唇瘻を考えます。Van der Woude症候群との関連が重要です。
解説
下唇瘻は、下唇の赤唇部に先天性の小陥凹または瘻孔を認める異常です。左右対称に2個みられることが多く、瘻孔内部には小唾液腺導管が開口して粘液が排出されることがあります。
下唇瘻と唇裂・口蓋裂を合併する代表的疾患がVan der Woude症候群です。家族内発症がみられることがあり、遺伝カウンセリングを含めた評価が必要になる場合があります。
症例では、異常が生下時から存在し、両側性唇顎口蓋裂を伴っています。この組合せは、外傷や炎症による後天性病変よりも先天性の下唇瘻に一致します。
画像の確認
実画像では、下唇赤唇部に左右ほぼ対称な二つの小さな陥凹が矢印で示され、腫瘤状の膨隆や裂はみられない。生下時から存在する点状瘻孔の形態が下唇瘻に一致するため、bが正答となる。
選択肢の確認
a.外歯瘻
誤り。
外歯瘻は歯性感染が皮膚へ排膿路を形成した後天性病変です。原因歯と連続する瘻孔がみられ、生下時から存在する下唇の対称性病変とは異なります。
b.下唇瘻
正しい。
生下時から下唇にみられる先天性の瘻孔で、唇裂・口蓋裂と合併することがあります。Van der Woude症候群の代表的所見です。
c.正中唇裂
誤り。
正中唇裂は上唇または下唇の正中に裂を認める形成異常です。点状の瘻孔や小陥凹を示す下唇瘻とは異なります。
d.粘液囊胞
誤り。
粘液囊胞は、小唾液腺の導管損傷などにより粘液が貯留・漏出して生じる腫瘤です。多くは後天性で、青みを帯びた軟らかい膨隆を示します。
e.リンパ管腫
誤り。
リンパ管腫はリンパ管の形成異常で、びまん性または多房性の軟らかい腫脹を示します。下唇に限局した先天性の点状瘻孔とは異なります。
覚えるポイント
- 下唇瘻+唇裂・口蓋裂=Van der Woude症候群を考えます。
- 下唇瘻は左右対称の小陥凹としてみられることがあります。
- 外歯瘻は歯性感染による後天性病変です。