115B028|第115回 歯科医師国家試験 過去問
26 歳の女性。上下顎の突出感を主訴として来院した。診断をした結果、術前矯 正治療後に顎矯正手術を行うこととした。術前と術中の口腔内写真 (別冊No. 7 )を 別に示す。 手術によって変化するのはどれか。 3つ選べ。

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正解: a・c・d
正答
a、c、d
この問題のポイント
上下顎前突に対し、抜歯空隙を利用して前方歯槽部を後方移動する顎矯正手術では、歯 数、上顎歯列弓長径、顎舌骨筋の走行状態が変化します。
解説
上下顎の突出感が強い症例では、術前矯正後に上下顎前方歯槽部骨切り術を行い、前歯部歯槽骨片を後方へ移動することがあります。移動量を確保するため、小臼歯を抜去してその空隙を利用します。
抜歯を伴うため歯数は減少します。上顎前方歯槽骨片を後方へ移動すると、前歯部から臼歯部までの前後的距離が短くなり、上顎歯列弓長径が変化します。
下顎前方歯槽部を移動する手術では、下顎体内面の顎舌骨筋線に起始する顎舌骨筋と骨片との位置関係が変化します。そのため、筋の走行や緊張状態にも影響します。
画像の確認
実画像では、術前に上下顎固定式矯正装置が装着され、術中写真では小臼歯部の抜歯空隙と歯槽骨切り部、さらに下顎骨片移動後のプレート固定が確認できる。前後方向へ前方歯槽部を移動する術式であり、抜歯による歯数、上顎歯列弓長径、下顎内面に付着する顎舌骨筋の走行状態が変化するというa、c、dを支える。
選択肢の確認
a.歯 数
正しい。
前方歯槽部骨切り術では、移動空隙を得るため小臼歯を抜去することがあり、歯数が変化します。
b.下顎歯列弓幅径
誤り。
本術式の主な移動方向は前後方向です。下顎歯列弓を左右方向に拡大または縮小する手術ではないため、幅径は基本的な変化項目ではありません。
c.上顎歯列弓長径
正しい。
上顎前方歯槽骨片を後方へ移動すると、歯列弓の前後的長さが短くなり、上顎歯列弓長径が変化します。
d.顎舌骨筋の走行状態
正しい。
顎舌骨筋は下顎体内面の顎舌骨筋線から起始します。下顎前方歯槽骨片の移動に伴い、筋付着部との位置関係や走行状態が変化します。
e.咬合平面の水平的傾斜
誤り。
本症例の主目的は上下顎前突の前後的改善です。左右的な咬合平面傾斜、すなわちカントを修正する手術として示されているわけではありません。
覚えるポイント
- 前方歯槽部骨切り術では、抜歯空隙を利用して前歯部骨片を後方移動します。
- 抜歯により歯数が減り、前後移動により歯列弓長径が変化します。
- 下顎骨片の移動では、顎舌骨筋など舌側軟組織との関係も考えます。